薬を飲み、食事にも気を使っていたのに…
「また再発したようなものだな……」
絶望感が足元から這い上がってきました。私はこの数年、尿酸値を下げる薬を毎日欠かさず飲み、ビールや魚卵といったプリン体の多い食事も徹底して避けてきました。健康診断の数値は常に安定しており、再発防止には万全を期していたはずでした。それでもなお、腎臓の中では“石の芽”が静かに育っていました。
実はそこには、真面目に健康を気遣うビジネスパーソンこそが陥りやすい、恐ろしい「盲点」が隠されていたのです。
経験した人にしかわからない痛み
そもそも、なぜこれほどまでに私たちは尿管結石を恐れるのでしょうか。それは、この病気がもたらす痛みが、人間の想像力を絶するレベルだからです。
経験したことがない方には想像しにくいかもしれませんが、その痛みは、ある日突然、脇腹から背中にかけて鋭利な刃物で抉られるような、あるいは内臓を雑巾のようにギリギリと絞り上げられるような感覚で襲ってきます。七転八倒し、脂汗を流して床をのたうち回る。痛み止めが効かず、血尿を伴うことも珍しくありません。
救急車で運ばれる患者さんの多くが、人生で初めて本気で「死」を意識するといいます。
「がんが転移したのではないか」
「このまま内臓が破裂して死ぬのではないか」
そんな底なしの不安に引きずり込まれるのです。
しかし、これほど医学が進歩した現代においても、病院でできることは驚くほど限られています。救急外来に担ぎ込まれても、まずは鎮痛剤の点滴で嵐が過ぎるのを待つしかありません。そして、医師からは決まってこう告げられます。
「水分を1日2リットル以上摂ってください」
「ジャンプや縄跳びをして、物理的に石を落としてください」
21世紀の高度医療において、基本戦略が「水とジャンプ」であるという事実に、多くの患者は戸惑いを隠せません。仕事のスケジュールは破壊され、重要な会議も出張もすべてキャンセル。一度発作が起きれば、社会生活は完全にストップします。結石は単なる病気ではなく、生活とキャリアを根底から脅かす「物理的なリスク」なのです。