近年の食生活の変化により、結石患者は増加傾向にあります。そして驚くべきことに、それは「一部の不摂生な美食家」だけの病気ではなくなっています。むしろ、私のように「健康に気を使い、数値を管理している層」にこそ、巧妙な罠が仕掛けられているのです。

「石の扱い」には慣れていたつもりだった

私がこれほどまでに再発を恐れるのには、切実な理由があります。4年前、文字通り「命の危機」に直面したからです。

40代以降、私は尿管結石の自然排出を8回ほど経験してきました。いわば「石の扱い」には慣れていたつもりでした。しかし、4年前の冬は明らかに違いました。数週間にわたって重苦しい痛みが続き、ある夜、突然「尿が出なくなる」という異常事態に陥ったのです。

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尿意はあるのに、一滴も出ない。下腹部がパンパンに張り、体の中に水が行き場を失っているような不安感。下腹部というより、体の奥から圧迫されるような違和感が広がりました。今思えば、膀胱が張っていたのではなく、両側の尿管が塞がり、腎臓で作られた尿が行き場を失っていたのです。

親しい泌尿器科医に電話すると、「明朝一番に救急車を呼んで、救急搬送されてください」と緊迫した指示が飛びました。

翌朝、CT検査の結果は衝撃的でした。

「左右両方の尿管に、それぞれ7mmの石が詰まっています」

両側同時閉塞。腎臓で作られた尿が完全に堰き止められ、行き場を失った尿が腎臓を圧迫する「水腎症」を引き起こしていました。到着からわずか3時間後に緊急手術。術後、執刀医から告げられた言葉に背筋が凍りました。

「このまま閉塞が続けば、腎機能に深刻な影響が出る可能性がありました」

緊急手術だったこともあり、透析になる恐れもあったのでは、と冷や汗をかきました。

救急医療の現場は、まず「命を救うこと」が最優先です。当時、治療が終わった後に詳細な生活指導を受ける機会はありませんでした。私は「石が取れたのだから、もう大丈夫だ」と安堵し、また以前と同じ生活に戻ってしまいました。この「喉元過ぎれば熱さを忘れる」という意識こそが、数年後に15mmという巨大な岩を育てる温床となったのです。