1次情報にアクセスできる「方法」を発信する理由
情報へのアクセスが容易になり、AIという強力なアシスタントを得た今、渡邉教授は自ら可視化を行って発信するだけでなく、その「手法」自体もnote等で積極的に公開している。誰もが1次情報にアクセスできる時代において、あえてその方法論まで人々と共有する理由は、情報の真偽が混迷を極める現代社会への強い危機感を抱いているからだ。
「インターネットでは様々な偽の情報が流れ、世の中を混乱させています。そこで、可能なかぎり確かなデータに基づき、きっちりと検証した結果を発信することで、世の中の人たちが正しく事態を把握できるようにしたい。これがメディア的なスタンスとしての1つの狙いです。そしてもう1つは、こうしたデータ検証の実践は『実は誰でもできるんだ』と発信することで、多くの人たちが自分でデータを検証できるような潮流を作っていきたいのです」
事実、この「自力で1次データにアクセスして検証する潮流」は着実に広がりを見せている。現在、渡邉教授は日本テレビや読売新聞の記者らに直接技術を教え、メディア側がOSINTを活用した可視化を自力で行えるような共同の取り組みも進めているという。
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過去の白黒写真をカラーで現代に蘇らせ、複雑な国際情勢を誰もが検証可能なデータで提示する。情報発信者の言葉が信用を失い、偽情報が飛び交う現代において、渡邉教授の「ビジュアライゼーション」は、私たちが自らの目で事実を見極めるための強力なツールとなっている。それだけではない。その手法までも伝える渡邉氏の情報発信にこれからも注目していきたい。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。
