体重が1kg増えるごとに膝への負担は3〜4kg増える
しかし軟骨は、経年劣化で誰でもすり減っていく。
「元々は2〜4mmの厚さですが、変形性膝関節症の患者さんの場合、軟骨体積は年間2〜6%ずつ減っていくといわれています。軟骨が摩耗し薄くなると、その下の軟骨下骨や関節を包む関節包の滑膜に負担や炎症が起こります。これらの組織には神経があるため、痛みを生じるのです。また傷んだ関節を安定させようと関節の縁で起こる修復・適応反応から、棘のような余分な骨(骨棘)が作られ、周囲の組織を刺激し痛みが生じることもあります」
膝関節全体は関節包という袋状の膜に包まれ、その内面を覆う滑膜から分泌される滑液によって軟骨は潤い、滑らかな動きが保たれている。
膝の悩みでよく聞かれる「水が溜まる」という症状は、この滑液の過剰分泌が原因だ。
「軟骨がすり減って生じた軟骨の破片が刺激となり、滑膜が炎症を起こす(滑膜炎)ことで過剰に分泌された滑液が、“膝に溜まる水”の正体です。よく、『膝の水を抜くと癖になる』と言う人がいますが、膝の炎症が解消されない限り当然、繰り返されますので、水を抜くこと自体が問題なのではありません」
なぜ、変形性膝関節症は女性に多いのだろう。
「3大原因は(1)加齢、(2)肥満、(3)膝への負担の蓄積です。体重が1kg増えるごとに膝への負担は3〜4kg増えるので、経年と体重増加に応じて膝軟骨は摩耗していきます。更に、筋力が落ちると膝の不安定性が増し負担が増加。そこに女性の場合、さらに拍車をかける要因として(4)閉経後の女性ホルモン(エストロゲン)の激減が加わります」
エストロゲンが減少すると、筋肉は衰え、骨は脆く、軟骨も傷みやすくなる上、体重も増加しやすくなる。
「更年期以降の女性の膝は、筋肉の減少、関節の脆弱化、体重増加という三重苦に見舞われている状態。そのため、膝の変形は50代以降、急速に進むのです」
膝にとって、肥満は致命的な負荷となる。
