ハジムのトークに熱くなったチェコの野球関係者たち

 自らの母語であるチェコ語では、ハジムは積極的に野球を語っている。

 WBC遠征を控えた2月13日、「(NE)JEN BASEBALL」というチェコ野球のポッドキャストで最新回が更新された。元巨人マレク・フルプの父であるブラジミール・フルプ氏と、国内外のプレイヤー・コーチの経験があるヤクプ・バンチュラ氏をナビゲーターに、ハジムはWBCの展望を語っている。

 聞いておどろくのは、108分にわたって語るハジムの変わらぬ熱量、テーマの広さと多彩さだ。WBC生みの親の一人であるジム・スモール氏とのやりとり、野球カリビアンシリーズで台頭したオランダ領キュラソーの感動、ベネズエラ出身でイタリア代表の監督をしているフランシスコ・セルヴェリ氏についての印象なども語っている。

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 さらに、チェコ代表の選手たち、観客動員数の推移、チェコの他のスポーツ、ヨーロッパだけでなく北南米、アジア、アフリカ各国の野球について、ありとあらゆるデータと経験を引っぱりだして比較しながら、自分たちの挑戦と限界をめぐって議論を深めている。チェコ人は「野球は頭を使うスポーツだ」というが、知識のシェアの仕方が半端ではない。

WBCチェコ代表のハジム監督 ©︎文藝春秋

 その中でハジムは、今回のWBCでのチェコ代表の使命の一つとしてこう定義づけている。

「野球がサッカーと同様に世界規模のイベントができること、そしてドイツ、オーストリア、フランス、リトアニア、アルゼンチン、中国、フィリピンなど、ありとあらゆるチームに勇気を与えること。ヨーロッパには潜在的な野球の可能性がある。中南米でも、アジアでもそうだ。いずれアフリカでWBCが行われる日がくるかもしれない。そこに向けて、我々チェコ人は一つの例として、世界レベルでうまくプレイができることを示す」

 WBC終了後、2つのチェコの野球ファンサイトが合同で行ったYouTube生配信で、途中で回線が落ちつつも、そこでもハジムはひっきりなしに2時間近くしゃべっている。WBCの振り返り、そして自らとチェコ代表の未来について。

 チェコの野球関係者たちは、そういうハジムの声を聴いて、同じ気持ちで東京ドームに来られていたのだ。