家族の負担…期待されるのはやっぱり妻であり嫁
――えっ、ヘルパーさんがですか。
村井 そうです。そういうことする人がいるなんて思いもしなかった。厳しい仕事で退職する方も多いので、介護のメンバーは次々変わりますし。だから「プロに任せます」って割り切れない部分はかなりありますね。自分たちでやらざるを得ない。
今って介護制度がすごく充実していて、老人ホームもいくつも種類があるんですよ。でも、どんな施設に入れるかは、最終的にはお金なんですよね。どれくらい自費で払えるかによって、老後の暮らしは全く違ってくると思います。グループホームみたいなところに行けたら、ラッキー。ほとんどの人は、まずは特別養護老人ホームが選択肢になるでしょう。
特養は今、どこも待機人数が多いし、個室はなかなか難しい。それに負担金も上がっていて、介護度が進んだ人が入ろうとすると月10~15万円ぐらいかかります。それを負担できるかっていうと、できない家庭も多い。
じゃあどうするか? 家族が見る。子どもが、妻が、嫁が……となってくるんですよね。いずれにせよ、誰かが犠牲になる。お金払うのも大変だし、自分で見るのも大変だしっていう。
――そこで「嫁」にも負担がかかってきてしまうんですね。
村井 そう。いくら世の中が変わってきたって言っても、期待されるのはやっぱり妻であり嫁である、っていうのがまだまだありますよね。うちの義理の父なんかもそんな感じで固まってるから。今は施設にいるんですけど、この前夫に「テレビ持ってきてくれ」って言い出して、「お前は仕事で忙しいから、家で仕事をしている理子にやらせればいい」って言ってたらしくて。
――うわー……。
村井 「お前は会社があるからいいよ、嫁に持ってこさせろ」なんて、さらーっと言いますよ。92歳のおじいちゃんなんで、もう抜けないですよ。無視するしかないです。
介護施設側も「息子さんは会社があるでしょうから、じゃあお嫁さんのほうに」みたいな。そういうのが全然普通なんですよ。嫁は専業主婦で家にいますっていうのがベースで動いてる。でなければ動かないシステムになってるから。