介護もサブスクに…想像以上にかかるお金

――え、おむつのサブスク?

村井 一定金額払えば何枚まで使える、みたいな。点数制で金額が上がっていくんですよ。うちは義理の父の金額がめちゃくちゃ高い。どんだけ使うの、このお爺さんと思って(笑)。月に1万7000円ぐらいになるんですよ。それを払わないと、じゃあご家族が持参してくださいって話になる。でもなかなか持っていけないじゃないですか。きれいなビジネスモデルができてますよね。

 昨年の秋ごろにグループホームに入所してからはすごく楽になったんです。通院もしなくてよくなったし、正直ほったらかしにできるんですけど、やっぱり利用料がすごくて。早々にショートしそうになってます。どうするかって昨日も夫と話して夜中まで眠れなかった。

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 年間で数百万円ってなると、ちょっとヤバい数字ですよね。義理の両親は90代で年金が多い世代とはいえ、足りないですよ。彼らの預貯金から補填してるけど、あ、これは近々来るぞ……みたいな。もう2年はキツいなって見えてくる。チキンレースですよね。

村井理子さん

――想像以上にお金がかかるんですね……。

村井 みんなかかると思っておいたほうがいいですよ。あるいは、家族が自分の時間を売るか。夜も寝れなくなりますけどね。介護保険制度はうまくできてると思うんですけど、やっぱり家に誰か介護する人がいる前提の補助だから。誰かの犠牲が土台になっているように思えてならないです。

「できたら親に怒っちゃう前に読んでほしい」

 2030年問題ってあるじゃないですか。国内人口の3人に1人が65歳以上の高齢者になるっていう。今すでに詰んでるのに、どうなっちゃうんだろう。

――考えれば考えるほど怖いですが、本書『全員悪人』を読むと心構えができる人もいるのではないかと思います。

村井 私もね、言えば言うほど自分はなりたくないって思いますね。これから介護を経験する人もそうだし、介護従事者にも、高齢者にもこの本を読んでほしいです。認知症って正直良いところなんてなくて、なっちゃったら家族も本人も大変なことばかりです。でも、この本の中で予習はできるかなと思います。

 できたら親に怒っちゃう前に読んでほしい。認知症の人の大きな特徴の1つに「しつこい」っていうのがあるんですよ。同じことを何度も何度も言ってくる。しかも内容は荒唐無稽で、何言ってるのかわからない。そういうのでフラストレーションが溜まって、子どもがキレちゃう。それをやってしまう前にちょっと立ち止まることができたらいいなと思います。

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