母と娘のLINEと証言の矛盾
残された胴体部分だけでは、殺人なのか、事故なのかもはっきりとしない。
守山署は死体遺棄事件として捜査を開始することになった。
母と娘のLINE──2017/10/18(1)
母 あんたは中高の時と何ら変わっていなかった。反省も心の成長もなく、私や母に対する責任感も持っていない。アンタの頭にあるのは、ただ自分が好きに生きるためなら人を利用して、裏切ることなんて何とも思わず、その場限りの口から出まかせが幾らでも言えて、バレたら逆切れして、最後は逃げる… 結局は自分以外の人間の気持ちなんて無視。アンタは、きっと助産師学校には行かないつもり。こうやって私も母も、まんまと騙されて終わり。
娘 いや、そもそも医大受験時も、私は別に「看護師になりたい!」と切望していたわけではなく、「ニート生活を終わらせたい!」という思いで頑張っていたので、私が助産師学校に気乗りしないことは、あまり問題ないと思います。今の気持ちとしては、看護師になりたいので、助産師学校を目指したい、ということです。
母 自分がよくよく考えて吞んだ条件ならば、嫌でも黙って全うすべきだと思います。それをせずして、事ある毎に押し付けられてやる気がしない…とは、私には理解できない。
証言の矛盾
河川敷で発見されたのは、女性の遺体の体幹部だった。
女性の身元を特定するため、守山警察署は現場付近の聞き込み捜査を開始したが、直後から、現場から370メートル離れた一軒家に住む1人の若い女性が、捜査本部の目を引いていた。
髙崎あかり、31歳。医科大学の看護学科を卒業したばかりで、看護師としての勤務を間近に控えていた。
あかりは聞き込みに対し、3月15日の時点では「はい、母と2人暮らしです」と話していたが、翌日、再度聞くと、
「母はいま、別のところに暮らしていて、ひとり暮らしです」
と話を翻した。さらに近隣の聞き込みを重ねた結果、妙子は、最近、ぷっつりとその姿が見えなくなっていることが判明した。
守山署はあかりの母・妙子に的を絞った捜査に着手する。妙子がふだん、よく利用していた近所のスーパーなど、立ち寄り先の防犯カメラの映像を収集して分析し、1月19日ごろから髙崎妙子の出入りがないことも分かった。