母親をすぐに解体しなかった理由
──なんですぐ解体せえへんかったの。
「大変な作業であるということは分かるので、バイトのある日は避けたいって思ったのと、あとは、母が亡くなったことは分かってるんですけど、しっかり死に切るまで待とうという考えもありました」
──お母さんのご遺体がずっとリビングに置いてあるわけやろ、布団とか毛布とかかぶせてあるにせよ、気持ち悪うなかった。
「まったく思わなかったです」
──お母さんが亡くなって、すぐに遺体を解体せえへんかった理由について、あなたは大津の地方検察庁で検事さんの取り調べで何と答えましたか。
「母を切ったりとかしているときに、『痛い』って言われるのがいやだったっていうようなことを答えました」
──それはお母さんが遺体を解体してるときに復活するということ。
「そうです。母から、もう責められたくないから、だから、その思い、その恐れみたいなのがあったからです」
──ひょっとしたら、お母さんが。
「また私を責めるんじゃないかなと思ってました」
──生き返って。
「そうです」
──そういう気持ちがあったわけ。
「ありました」
2020年11月5日午前、大阪高裁で行われたあかりの控訴審初公判は、異例の展開となった。刑事裁判の控訴審は通常、一審のような冒頭陳述の読み上げもなく、主張は書面で提出し、即日結審することがほとんどである。被告人が出廷する義務はなく、出廷しても認否を述べることもないため、早ければ10分程度で閉廷する。
しかしあかりの控訴審では冒頭、弁護人が控訴趣意書を陳述し、これまで否認していた殺人を認めることとなった。すぐさま被告人質問が始まり、あかりは、弁護人に問われる形で母を殺したことを告白した。
