そして、ついにギブアップを決意……
志村けんさんの訃報から深刻化したコロナショックが長引くなか、ありがたいことに常連のお客さまは戻ってきてくれましたが、完全に客足が復活するには至りませんでした。それはそうですよ。あのころのニュース番組を思い出してみてください。
「不要不急の外出は避けてください」
「2人以上での会食はやめましょう」
「ソーシャルディスタンスを守りましょう」
そんなことを朝から晩まで連呼しているわけです。私には、もはや『外食は絶対にしないように!』と言っているようにしか聞こえませんでした。国とメディアが一体となって、外食産業に対する風評被害を起こしているような感覚すら覚えました。
いや、わかるんですよ。これ以上、感染を広げないように手を打たなくてはいけない、ということは。その方向に国全体が舵を切ることも、まぁ、納得はできます。ただ、その過程でわれわれのような外食産業のことがすっぽりと頭から抜け落ちてしまっている。
こういった緊急事態では、どこかの業種が犠牲になるのは宿命でもあります。いつもなら、パチンコ業界が「こんなときに不謹慎だ」とやり玉にあげられ、それが世論のガス抜きにもなるということが多いんですが、コロナ禍における世の中の動きはそんなレベルでは止まらなくなっていました。
会社員の方たちもリモートワークが広がり、出社せずに自宅にいながらにして業務をするという働き方が一気に広がりました。これもまた外食産業にとっては大ダメージです。まだウチは地元に根ざした経営を心掛けてきたので最小限で済みましたが、会社帰りにお店に立ち寄ってくださっていた方たちは、そもそも会社に行かなくなって立ち寄ることもなくなるわけで、集客のひとつのラインが完全に絶たれてしまいました。
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客足は戻らず、赤字は確実。貯金もいずれ尽きる——。追い詰められた有名ステーキ店のオーナーは、ついに“閉店”を決断。それを従業員に伝えると「衝撃の反応」が⋯!