『いとしきもの 森、山小屋、暮らしの道具』の刊行を記念して開かれたトークイベントでは、森の生活の写真をパネルで見ながら、小川さんに話を伺いました。

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山小屋の、広々としたダイニングには、大きな窓から光がふりそそぐ。左奥のデスクが執筆用。撮影:榎本麻美

山小屋づくりでのこだわり

――山小屋で気に入っているところは、どんなところでしょうか?

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小川 なるべく地元の素材で小屋をつくりたかったので、外壁の方は地元のカラマツ材を使っています。

――ダイニングルームの窓、眺めがいいですね!

小川 この写真の左に見える窓が一番大きくて、南向きで森が見えるんです。建てているときに、部屋の中の東西南北どこに座っても森が見えるようにということで設計の方にお願いしました。

自然の豊かさを享受する暮らし

――山の暮らしは静かだと思うのですが、森からどんな音が聴こえてきますか?

小川 葉っぱがこすれ合う音がよく聴こえてきます。新緑が出て夏のはじめの頃ってやわらかいふわふわした音なんですけれども、だんだん大人の葉っぱになって、固く丈夫になってくると、風が吹いてもカサカサカサカサと乾いた音になって、季節によって音が変わって全然違うなぁと思いますね。

青い椅子に寝っ転がって空を見上げると、真っ先に森の緑が目に飛び込んでくる。至福のひととき。写真:榎本麻美

――小川さん、気持ち良さそうに寝ていらっしゃいますが(笑)、青い椅子はどこのものですか?

小川 これはキューバの椅子ですが、ビーチに置いてもさびない素材で出来ていて、とても古いものと聞いています。

――大きかったり小さかったりかなりの数の石が庭に見えますが、小川さんにとって石はどのような存在なのでしょうか?

小川 建物を建てる場合は、なかには本当に巨大なものもあるので動かすのも大変ですごく邪魔になってしまうのですが、私はこれらの石を見たときにすごくかっこよくて神々しいなぁと思い、私の中では“神様の石”なんです。

――コケに覆われていて風情がありますね。

小川 そうなんです。さすがにコケまでは鹿も食べないので季節問わず残っていて、冬は雪がかぶさって真っ白になるのですが、溶けたらコケの緑が見えるので、すごく綺麗で見飽きないですね。

――庭にいるときに動物が来ることもあるんでしょうか?

小川 普通に鹿がうろうろしたりとか、あります。怖くはない。食べものをあげるわけではないので、鹿もそこまで近づいては来ないのですけど、こちらから至近距離まで近づいても逃げないですね。