師匠から見た新四段たち

 そして後日、新四段3人の師匠からも話を聞いたので紹介する。

中村修九段(小窪新四段の師匠)

「私が審判長を務めた調布市の将棋大会に彼が参加していたのが最初ですね。御両親から入門の希望を伝えられましたが、すでに小学生大会で色々と活躍していました。奨励会入会後は、将棋については特に何かするということもなかったです。例会で指した将棋の棋譜を送ってもらったくらいですかね。三段昇段も早かったので、特に心配はしていませんでした。

 リーグ当初はなかなか勝ち越せなかったのですが、焦ることはないと伝えました。四段だろうと、三段だろうと、まずは自分の力をつけるのが大事ですから。今回のリーグ最終日は調布での将棋イベントに参加しており、そこでファンの方から結果を教えてもらいました。その後にXの報道を見てホッとしましたね。先輩にも恵まれているようなので、幸運というかありがたいことだと思います。

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 プロとしては対局だけでなく、普及にも頑張ってもらいたいですね。振り飛車党としてのこだわりを強く持っているようなので、新世代の振り飛車党ならではの将棋を見てみたいです。4月26日に小窪のお披露目会を調布で行いますので、興味のある方は私のXからDMでお申し込みください」

小窪新四段(左)と吉池隆真四段

小倉久史八段(川村新四段の師匠)

「川村は蒲田の将棋道場に通っていたのですが、そこの関係者の方から師匠になってもらえないかと連絡を受けたのが最初です。しっかりした居飛車で強い印象がありました。私の師匠である中原の将棋を並べたらとアドバイスしました。また、入会してから初段になるくらいまでは兄弟子の山本ともども、私の自宅に呼んで将棋を指していましたね。

 川村も山本も、自分の奨励会入会時と比べてかなりしっかりしていました。それこそ、当時の羽生さん(善治九段)と同じくらい。山本が四段昇段を決めたリーグで、私は奨励会幹事を務めていましたが、その時の川村は最終日で連敗すると二段に降段していました。もちろん山本も最終日の時点では昇段を逃す可能性もあったわけで、幹事としてこう考えてはいけないのでしょうけど、どちらも悪い目が出てしまったら……という心配もありました。

 プロになってくれて、うれしいというよりホッとした気持ちです。当日は将棋教室で指導中でしたが、本人から電話がかかってきて、言葉に詰まりました。よかったなとしか言えなかったです。近いうちに川村の祝賀会を行う予定です」

(左から)山本博志五段、斎藤明日斗六段、川村新四段

石川陽生七段(古井新四段の師匠)

「奨励会入会同期の小田切さんが館長を務めている棋友館に教えに行っていましたが、古井は棋友館の生徒でした。真面目な子という印象がありましたね。奨励会入会後は研究会で教えたり、奨励会の棋譜を見たりしていました。リーグ最終日は本人から電話がかかってきて、上がったんだなと。声が余り弾んでいなかったので、まだ戦いの緊張が残っていたのかと思いました。

 その後、現場に駆けつけて、改めて、よかったな、と。私にとっては初めて棋士となった弟子ですが、私の師匠である高田(丈資七段)も、棋士になった弟子は私一人だったので、名前が残ったのは師匠に対してもよかったと思います。

 3月22日に長野県で行われた将棋大会に師弟で参加したのが、彼にとってのお披露目になったでしょうか。詳しくは長野県将棋情報サイトを見ていただければと思いますが、良い記念になってよかったです。これからも大変とは思いますが、好きなようにやって欲しいと思いますし、周りにもいい影響を与える棋士になって欲しいですね」

師匠・石川陽生七段(左)と古井新四段

撮影=相崎修司

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