土地の所有なんて幻想だ

 いったん頭を動かして、きちんと考えてみましょう。

 土地は、誰の物なのか? 地面からどのくらいの深さまでが自分の土地なの? 

 自分の土地をどんどん掘っていったら、地球の裏側のブラジルまで貫通して、そこには別の地主がいて、キリがありません。

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写真はイメージ ©︎GYRO_PHOTOGRAPHY/イメージマート

 高いお金で購入したとして、本当に、あなたの所有となり得るのか?

 住宅購入を模索されている相談者の方も、考えてみてください。

 元の所有者から法的手続きを踏んで、所有する権利を購入した。だから自分のものには違いない……と、理屈では言えます。

 では、家を建てる基礎工事中、縄文時代の貝塚が発掘されたら?

 縄文時代の先住民が「ここは俺たちの約束の地だ! 返せ!」と、魂で訴えてきたとしたら、縄文人に返さないといけませんよ。だって元の所有者が、NGだというのですから。

土地なんて国からのリース品

 極端な例ではありますが、所有とは元より無意味なものです。

 どんな豪邸も広い土地も、長い目で見れば誰の物にもなりません。

 渋谷区南平台の岸信介の大豪邸は安倍晋三に受け継がれ、いまはご親族が管理されているそうです。

 お隣は統一教会始祖の文鮮明の買った土地で、都内の超一等地として知られます。とんでもない額の時価総額だと思いますが、そのぶん相続税はバカ高くなります。

 豪邸とはいえ、3代程度の相続を経て、資産価値は償却される運命にあります。そして別のお金持ちの誰かに、切り売りされるでしょう。

 政治家の豪邸だけでなく、日本全国の家の行く末は、似たり寄ったりです。

 土地の権利を持ったとしても、何十年後かには相続税を吸い取られた果てに、別の人に売られます。

 土地なんて結局、相続税で厳しく紐付けされた、国からのリース品なわけですよ。

 骨董品や美術品も、同じだと思います。「この幽霊の掛け軸は、室町時代のお宝だよ! 残っているのは、もうこれ一品だからね! あること自体、奇跡なんだよ!」と熱く語ったところで、持ち主が死んだ後、どうなるでしょう?