悪意の報道に傷ついた娘・趣里
また、父娘の仲が悪いと報じられたのも嘘である。
「僕は父親との縁が薄かったので、子供にとって父親の存在がどんなものかよく分かっていなかったんです。趣里が生まれてからは、自分がイメージする父親らしくあろうと思ったけど、あるとき、そんなことを考えるより、正直に付き合っていくしかないと分かった。だから、父親然とした格好もつけないし、自分の若い頃を振り返ったら、娘に偉そうなことを言えるか、という気持ちがあります」
にもかかわらず、まことしやかな噂が広まり、心配した知り合いから「そんなことで怒ったら趣里ちゃんが可哀想」と諫めるような連絡もあったという。
「娘は、まだそういう悪意の報道に免疫がないから傷ついたり、がっかりしたりしてね。無責任な作り話ばかりでしょう。ただ、『あれは一部のマスコミがやったことだから、マスコミ全体を一くくりにしないように。これからもいろいろあるだろうけど、いい人にも出会うから』と忠告しています。芸能の世界に落胆して、後ろ向きになってほしくないので」
怒りを滲ませつつも、水谷は口元を緩めた。
「『相棒』で右京が時々犯人に向かって激怒するでしょ。僕が娘に激怒したという記事はそのせいかな(笑)」
「蘭さんには打ち明け、僕には内緒に」趣里の決意
趣里が幼い頃は芸能の世界に来ないように、繰り返し言い聞かせてきた水谷だが、ある時期から応援する側に回った。彼女が演技者の道を歩む強い意志を持っていることを知った頃だった。
「娘はバレエが大好きで、イギリスに留学もしたけど、アキレス腱を切ったり、剥離骨折したりで、これ以上は無理だというときがきたんです。日本に戻ってきてからは、普通に大学へ通っていると思っていたのに、演劇の勉強を始めていたんですね。そのことを蘭さんには打ち明けて、僕には内緒にしていた。僕が知れば必ず反対されると思っていたんでしょう。親としては大丈夫だろうかと、色々な不安材料があったものの、最後には本人が望んでいることをやるのが一番いいということになって、今は自由に、好きなようにやってもらっています」
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