投手陣はエース黒田の引退やジョンソンの戦線離脱もあり万全ではなかったが、2年目の薮田がシーズン中盤から先発ローテに定着し、チーム最多の15勝、勝率.833で最高勝率を記録する大躍進。野村も安定感ある投球で9勝ながらリーグトップクラスの防御率2点台をマークし、岡田は12勝、大瀬良大地も10勝を記録した。中﨑は守護神として着実にセーブを積み重ね、不振の時期には今村猛や一岡が代役を務めるなど継投の層も厚みを見せた。チーム防御率は3.39とリーグ2位だったが、平均得点5点超の打線でカバーし、打高投低のセ・リーグを圧倒的な野手力で制圧した。
しかし、この年のCSでも緒方采配の短期決戦の弱さが露呈し、DeNAに敗れることになった。初回に先頭打者の田中が出塁すると2番菊池に送りバントを命じて得点圏に走者を進める策を5試合中4試合で繰り返したが、そのうち得点に結びついたのは第4戦と第5戦だけで、しかも両試合とも最終的には逆転負けを喫している。序盤から確実に1点を取りにいく作戦が裏目に出て、全体的な火力が低下し、相手に勢いを与えてしまう面があった。
また、このシリーズでは雨天順延の影響もあり、第1戦で好投した薮田と第2戦で敗戦投手となった野村を中4日で再度先発させたが、両投手とも再登板時に初回のリードを守れず逆転されてしまった。短期決戦での先発の中4日強行はリスクが高く、この采配も結果的には失敗に終わっている。
逆に、DeNAのラミレス監督は冴えまくっていた。先発の見切りが早くなる一発勝負で今永や濵口遥大をリリーフに回した采配がハマり、広島打線を抑え込んだ。さらに、巨人とのCS争いで神がかり的なピッチングを見せた井納翔一を第3戦に先発させるなど、リスクを負ってリターンを得た。
常勝の裏で進行していた疲弊
翌18年、広島はついに球団初のリーグ3連覇を成し遂げる。勝ち星自体は前年より減少したが、2位以下を大きく引き離した。チーム打撃力は依然リーグ随一で、総得点721、平均得点5.04と2年連続でチーム得点700点超えを達成。チーム本塁打数175本、盗塁数95もリーグトップ。特に丸が打率.306、39本塁打、97打点で2年連続MVPという圧巻の成績を残し、若き4番鈴木もシーズン後半に故障離脱しながら打率.320、30本塁打と成長を見せた。田中、菊池の1、2番コンビも健在で、「タナキクマル誠也」という強力な上位打線は他球団の脅威だった。