十年ごとの小中高生の自殺者数を調べた調査で、ピークが九月上旬から八月下旬に早まったことが分かった。夏休みの短縮に伴う変化のようだけど、夏休み明けのこの時期は子供の自殺が一年で最も多い「魔の季節」。八月にも佐賀で中二男子が夜、踏切を越え電車にはねられ亡くなった。原因は調査中とのことだけど、胸が痛む。
最近は、親が「ウチの子は学級でも問題なさそうだし部活も楽しそう。塾にもはりきって通っている」と思っていても、実はSNSで深刻ないじめに遭っているといったケースも増えてきたの。東京都が今年二月に保護者に実施した調査では、スマホや携帯の所持率は小学高学年で六割、中学生は八割、高校生で九割超。一方、使用状況を適切に監督できていないとの回答は五割を超えている。
特に五十代以上の親には想像し難いけど、中高生にとってネットは「もう一つのリアル」な世界。対面より気軽に「本音」を発信でき、他人と瞬時に「親密」になれる。さらに思春期は、心身の変化・成長に揺れ動く「激動の時代」。親から自立しようともがく一方で、友達に依存したい「同調心理」が強く働く。そんな時期、友達と手軽に二十四時間濃密に繋がれるスマホやSNSは、格好のツールよね。
反面、ネットの世界では相手の表情や声の調子の機微までは感じ取れない。些細な言葉のやり取りの誤解などからトラブルが発生しやすく、匿名性も高いので、一気に集中攻撃やいじめに発展する危険性も。コミュニケーション力や社会性が未発達な子供であればなおさら解決は至難の業。
今やリアルな世界の様子だけで安心はできない時代。だからこそ、大人は子供と普段から何でも話し合える信頼関係を築いておきたい。「元気ないけど、ラインで何かあったの」と声掛け出来るような関係を築けるといいわね。