双子の兄弟と双子の姉妹が結婚し、50年以上にわたって2組の夫婦が同じ屋根の下で暮らし続けている――。深見忠義さん(83)・美智子さん(77)、深見孝晴さん(83)・喜久子さん(77)の4人は、まさにそんな稀有な家族だ。お見合いの応募先はテレビ番組から結婚相談所まで、断られること実に7組。それでも「相手も双子姉妹でなければ」という信念を曲げなかった兄弟の、並々ならぬこだわりの背景とは。

左から、妹の深見喜久子さん(77)、弟の深見孝晴さん(83)、兄の深見忠義さん(83)、姉の深見美智子さん(77)

「夫婦二組で一緒に住む」という条件がネックで、7組に断られた

 忠義さんと孝晴さんが「相手も双子の姉妹を探そう」と決めたのには、明確な理由があった。「仕事をしていくうえでお嫁さん同士もうまくいってくれないと、われわれ兄弟もうまくいかない」というのが2人の共通した考えだったのだ。さらに、2組の夫婦が住めるよう自ら設計図を引いて建てた家まで用意していた。

 相手探しは難航した。フジテレビのお見合い番組へ応募したところ、応募はわずか1件。しかし「夫婦二組で一緒に住む」という条件が受け入れられず破談になった。その後、結婚相談所を通じて6~7件の話が来たが、やはり同居の条件がネックとなり、ことごとくうまくいかなかった。美智子さんが「私たちは8組目だったの。それまでは全部お断りされていたそうで」と振り返るように、2人の前に7組の双子姉妹が「ノー」を突きつけていたのである。

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 突破口となったのは、仕事先の関係者からの紹介だった。「女性が多い」という大企業を調べてもらったところ、「双子の姉妹がいますよ」と判明。忠義さんは「あまり期待はしなかったんだけども」と語るが、こうして美智子さん・喜久子さんとのお見合いが実現した。

合同結婚式の様子

 お見合いから結婚まで、わずか2カ月。4人でのデート4回目、夕食後に忠義さんが「結婚していただけますか?」とプロポーズ。その場で夫婦の組み合わせも「上は上、下は下」とあっさり決まり、双方の親も大賛成だった。「すんなりでしたね」と喜久子さんは笑う。

 半世紀以上を経た今も、4人は同じ屋根の下で暮らしている。あの時、条件を曲げなかった2人の選択が、ひとつの大家族を生み出したのだ。

写真=深野未季/文藝春秋

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