「食事が面倒臭くなってくる」食事に40分かかり、体重は激減

――体重も減ったのでは。

もりひ すっごく痩せました。噛むのと飲むのとでは、胃に入る量が全然違いますからね。だから先生からは、「食べられるものなら何でもでいいから食べて」と言われます。「とにかく痩せるな」と。

「がんに悪いので、糖分は控えてください」ってコメントをよくもらうんですけど、糖分なんて控えようものなら、今頃干からびて倒れてますからね。ジュースとかもガンガン飲んでくださいって言われてます。エネルギーが足りてないからって。

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――食べたいけど、食べられないもの、食べにくいものはありますか。

もりひ ハンバーガーですね。バクッと食えないですから。マクド、食いたいです。ビッグマックが好きなんですけど、まあ無理でしょうね。もし食べるとしたら、バンズ食べて、パティ食べてといった具合に、1層1層食べるしかない。

――食事を取るのにもけっこうな時間が?

もりひ えぐいですよ。時間を掛けて食べるから、ちょっとの量でも腹一杯になる。だから痩せるんです。で、食事のスピードも遅くなるにつれ、食事が面倒臭くなってくるんですよ。40分ぐらいかかりますから。

 この前、友達とご飯を食べましたけど、僕からしたら嘘でしょっていうぐらい口開いてるんです。「もう、それ人ちゃうやん」みたいな。

顔の穴は日に日に大きくなっていったという(もりひさんのYouTubeチャンネルより引用)

治療の辛さから、うつ病のようになった時期も

――皮膚移植の話などは。

もりひ がんの活動が治まってからじゃないとできないんですよ。だから今は何もできなくて。といっても、なにをもってがんが治ったかもわからへんから。

「ここで穴が空くのが止まったから治まった」という基準がないんですよね。だから難しいです。それに、他の部位から皮膚を持ってきて、もしなんかあったらもっと大変になるとも言われてて。

――がん再発のリスクを考えると、いろいろあると。

もりひ もし再発したら、入れた健康な組織にがん細胞がどんどん広がっていく可能性がある。「めちゃくちゃなことになるんちゃうか」みたいな。皮膚移植自体、感染症のリスクもありますし。

 それもこれも、この病気が希少すぎてわからないことだらけだから、やりようがないんですよね。

――治療の辛さから、うつ病のようになった時期もあったそうですね。

もりひ 専門3年のときかな。痛みからうつになって。で、精神科に1回行って薬を処方されたんですけど、2、3日で止めましたね。「これ、飲んでも無理やろう」と思って。

 幸い、僕の場合は国家試験に合格するという目標があったんで。痛くても痛み止めを飲んで勉強することで前を向くしかなかったんですよね。

撮影=杉山秀樹/文藝春秋

次の記事に続く 「顔の穴が大きくなって、口と繋がった」「歯を磨くのが地獄」顔に穴が空き、唇が無くなった希少がん患者の22歳男性が、それでもポジティブに生きるワケ

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