降圧剤から卒業すべき年齢とは?

A 前回、人間の脳には四つの劇的な転換点があるって話をしたのは覚えてる?

Q もちろん。9歳、32歳、66歳、83歳の四つの段階で脳のネットワーク構造が大きく変わるんでしたよね。

A そう。40〜60歳くらいの中高年の高血圧患者は、降圧剤で血圧をコントロールして、120/80mmHg未満におさめるのがベスト。だけどその後、遅くとも66歳までには降圧剤から卒業したい

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Q たいへん、あと17年しかない!

A 脳の劣化が急激に加速する66歳までには、降圧剤を卒業、もしくは大幅に減薬しよう。降圧剤に頼らず、日々の生活習慣で血圧を安定させる努力をすべきだ。

Q 努力……。オジ記者が一番苦手な言葉だあ。ラーメンをスープまで飲み干して一旦落ち着こうっと。

A また血圧が上がるゾ! 「過降圧」以上に問題なのは、オジ記者のように「血圧は降圧剤で管理できているから大丈夫」と過信して、高血圧の根本原因に対処できていないこと。

Q う、耳が痛い……。

A たとえ血圧が薬で管理できていたとしても、塩分の過剰摂取自体がアルツハイマー型認知症の発症原因となるという指摘もある。原因物質となる「タウタンパク質」を脳内に凝集させ、神経細胞の破壊が進むといわれているんだ。

Q なんだか頭が痛い……。

A 高血圧の原因となる肥満も、体内に蓄積された脂肪細胞が慢性炎症を引き起こし、脳細胞に悪影響を与えることが指摘されている。だから、認知症を本気で予防したいなら、食事改善と運動に励み、降圧剤からの卒業を目指すべきなんだ。

Q 院長の正論が最大のストレスです(泣)。オイラ膝が痛いし。

A 正しい食事と運動は「天然の降圧剤」と呼ばれているよ。膝が痛ければ、水中ウォーキングがおすすめ。食事は、腎臓に問題がなければ、過剰な塩分を体外に排出してくれるカリウムが豊富な野菜を積極的に摂ろう。

Q 運動嫌い、野菜嫌いのオジ記者にとって、なんとも不都合な真実……。

A 現実から目を逸らすな! 次回はオジ記者も大好きな「酒」と認知症を取り上げるので、お楽しみに♪

イラスト=ポートレーターmiki

◆内野勝行院長/埼玉県育ちながら、チャキチャキ江戸っ子マインドの脳神経内科医。2015年に「金町駅前脳神経内科」を開院以来、認知症や認知症予備軍(MCI)患者のべ1万人以上を診察。認知症外来専門医として認知症予防にも注力。患者を思うあまり、時々つい口が悪くなる。

 

◆オジ記者/週刊誌記者歴20年。夜毎、情報収集という名の飲み会に勤しみ、〆のラーメンが至福。肥満、高血圧、糖尿病、脂質異常症の生活習慣病に絶賛罹患中の49歳。

「週刊文春」では「1万人を診た専門医が解説 49歳からの認知症予防」を連載中。バックナンバーは「週刊文春 電子版」でお読みいただくことができます。

第1回 いまがラストチャンス!?
第2回 降圧剤は66歳までに卒業しよう
第3回 認知症は赤ワインで予防できるの?
第4回 夜中のおしっこ・いびきは要注意? 最適な睡眠時間は何時間?
第5回 ダイエットは65歳までに完了せよ!
第6回 家事は最高のエクササイズだ!
第7回 「脳のおそうじスープ」レシピ公開!

最初から記事を読む 認知症予防は40〜50代からスタートすべし!? 「週刊文春」の49歳・オジ記者が“認知症治療のエキスパート”に尋ねた