「ヘビはナマに限る」驚きの現地調達
「その場で“小道具”を仕入れることができますからね。ヘラクレスオオカブトっぽいのがテントに入ってきたらすぐに捕まえて、靴を入れる箱に入れておいて、次の日に木に付けといたりとか。あとはリスみたいな小動物を餌付けしておく。なんでも現地調達ですよ。そこの“絵”はあんまり嘘つけないですから。ヘビが一番嫌だったなあ。『ヘビは見たらとりあえず捕まえろ』って言われてて」
アパッチテレビ軍ならではの格言「ヘビは見たらとりあえず捕まえろ」。すばらしい。毒ヘビかもしれないのにとりあえず捕まえるというのもすごい。血清は持っていかないのだろうか。
「ほとんど持っていかないです。コブラの血清を一回持っていったけど『使い方誰か知ってんの?』『いや、誰も知らない』ってそのまま(笑)」
血清がなくてもヘビにはこだわる。それほど貴重な“小道具”だったとも言える。
「ヘビは生に限ります。大量に見せるために一応ゴムのヘビも日本からいっぱい持っていくんですが、やっぱり動かないと絵にならないですから。見つけたら速攻で捕まえます」
「ヘビは生(ナマ)に限る」。ビールのCMみたいだ。先ほどからここでしか使わないキャッチコピーが連呼されている。
テントをうっかり中州に立てて、血清を持っていてもやっぱり使い方がわからない。そんなアパッチテレビ軍に山岳のスペシャリストがアドバイザーとして就いたのは、番組後期の85年だった。
「プロに入ってもらってからは、キャンプも懸垂下降も手際よくできるようになったんじゃないかな。当時、山岳用品をよく買いに行きましたよ。石井スポーツとかミズノとか。そこでも少しタイアップを取ってきてね。ロッククライミングの技術も少しずつ教わりました」
実地でずぶ濡れ傷だらけになりながらサバイバルを学んでいった素人集団の探検隊。しかしこんな集団に、唯一アウトドアの知識を持った人物がいた。川口浩である。
