本当に“隊長”だった、スタッフに慕われた川口浩
「川口さんはキャンプが好きで、アウトドアについて結構知ってたから、ある程度教えてもらいましたね」
川口浩は本当に“隊長”だった。
「めちゃくちゃ器用な人でしたよ。キャンプのテントの結び方から何から全部知ってましたね。自分の寝るテントを自分で張ってさっさと寝てらして」
この証言を聞くと川口浩はただの隊長役としての参加ではなかったとわかる。隊長の番組へのかかわり方をもっと聞きたくなった。
「川口さんは、台本は1回見るぐらい。現地では全然見ないです。このシチュエーションだったらこういうこと言えばいいっていうのが、すでにあったんでしょうね」
脳裏に川口隊長の声が蘇る。「よし、行くぞー!」「あそこまでなんとか!」。つまり“決め決め”の箇所はあるのだけど基本はアドリブということか。
「そうですね。決め決めはもちろんありました。でもそれ以外は冒険スキルです。想定外のシーンも多いし」
そんな川口隊長の一日の終わりの様子を聞くと、「酒はやめられなかったみたいです(笑)。隊長は必ず夜ぐいっと飲んでから寝てました。タバコと酒はおいしそうにやってました」
番組での酒盛りのシーンは隊員役のADはそのあと編集作業などがあったというが、川口隊長の酒盛りは本物だったのだ。
アウトドアの知識を有し、探検隊をけん引する川口浩。日本ではどんな様子だっただろうか。
「日本にいる時は、AD連中はよく飲みに連れていってもらいました。まず築地の屋台の天ぷら屋に行くんです、『ここ、おいしいんだよ』って。そのあと、銀座に行くんですけど、金を払わないんですよ。当時経営されていた川口アパートのほうに全部ツケがいく。払ったのは一回も見たことがないですね。『あとはよろしくね』って感じで(笑)。まぁ、昔の映画スターの人ですもんね」
日本で改めて川口隊長のスターぶりを思い知る隊員たち。
「どこに行ってもお店からは『ああ、川口さん。いらっしゃいませ』と大歓迎でした」
当時、タレントとADはそんなに距離が近くなれるものなのだろうか。
「なれないと思います。ロケで50日間とか一緒にいたからですかねぇ」
そう言ったあと内藤は腕時計を見せた。
「これは僕が探検隊をやめるときに頂いたんです。3年ぐらいやったあと『ひょうきん族』に行くことになってね。『フジテレビのほうに行くことになりました』『じゃあ何かあげるよ』って。それがこれです」
愛おしそうに自慢の逸品を見せる内藤。探検にぴったりなダイバーズウォッチ。川口隊長は今も隊員に慕われていた。
