――昨年お亡くなりになった長嶋茂雄さんも岡本選手のことをいつも気にかけていたそうですね。
「球場にいらっしゃるときによく声をかけていただきました。2024年5月、僕が不調に陥っているとき、長嶋さんにお招きいただき、入院されている病室で素振りをみていただきました。スイングする度に『OK』『ダメ』と声をかけてもらって。バッティンググローブをはめずに素手で素振り。目の前に立っていらっしゃったので、バットが滑って飛んでしまったらヤバい。でも真剣にみてくださっているので手を抜いたスイングはできない。時間にして30分から40分ほど。あんなに張り詰めた空気感で素振りしたのは初めてで、終わった頃には汗だくだった。僕にとってかけがえのない思い出です」
2大会連続で出場となるWBC。2023年の前回大会では、決勝のアメリカ戦で本塁打を放つなど優勝に貢献した。
「WBC出場は契約条件には入っていませんでした」
――WBC出場にあたりブルージェイズと話し合いはありましたか。
「WBC出場は契約条件には入っていませんでした。契約する際、球団の方から『(出場は)意義のあることだから』と温かい言葉をかけていただきました。チームに早く馴染みたい気持ちもありましたが、やはり日本代表としてもう一度頂点を目指したい。球団が出場を後押ししてくれたことにとても感謝しています」
――連覇への意気込みを聞かせてください。
「今回はまず、ブルージェイズのフロリダキャンプに参加して、途中から代表チームに合流します。日本での1次ラウンドを勝ち抜けば、決勝トーナメントが行われるアメリカへ戻ることになる。日本とアメリカを行ったり来たりと負荷は大きいですが、時差ボケに慣れる良い機会かなって。前回とメンバーが少し違うのでチームに合流するのが楽しみです。優勝に対する期待値は前回より高くなっているでしょうが、期待以上の活躍を見せたいですね」
口調こそ普段の穏やかな岡本だったが、「やることはこれからも変わらない」と語る顔には、 “世界の主砲”になる決意が漲っていた。

