運航していた市民団体は海上運送法に基づく事業登録をしていなかった。2022年4月に北海道・知床半島沖で起きた観光船沈没事故を契機に、従来の届け出制から登録制に改正されている。今回の修学旅行生を乗せる活動が「事業」なのか「ボランティア」なのかという認識は曖昧だった。そもそも登録制への移行はどこまで周知されていたのかという疑問も残る。

産経新聞を追っていると気づくことがある

 地元紙を読むと、あの日は実は海上保安庁の船も転覆していた。それほどの天候変化もあった。「過失」かどうかを巡り、専門家の間でも見解が異なることを3月23日の沖縄タイムスは伝えている。出航時の判断で防げたという声もあれば、海保元幹部は出航時の天候が即座に取りやめる判断要因にはならないのでは、という見方も示す。いずれにしろ捜査は長期化しそうという。だとしたら今問われるのは経緯であり、長年の油断はなかったのかという点もあるだろう。

 辺野古転覆報道は全国紙もしている。知床の事故当時と比べても社説などの本数もあまり変わらない。今回、目立つのは産経新聞だ。

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『危険出航 ずさん管理 「知床の教訓」生かされず悲劇』(3月23日)

『辺野古抗議団体 生徒に座り込み「お願い」 高校、過去のしおりに掲載』(3月28日)

『抗議団体 事故・違反10件超 平成26年以降 海保が実態調査』(4月24日)

 沖縄の地元紙に劣らぬ勢いで連日報じている。そんな産経新聞を追っていると気づくことがある。事故原因の究明もさることながら、沖縄の平和学習に対する視点だ。

 産経は事故翌々日、初めての社説で『辺野古沖で転覆 「平和学習」はき違えるな』と書いていた。抗議船に生徒を乗せることが「平和学習」になるという学校側の姿勢もおかしいとし、「教育に求められる政治的中立を逸脱している。(略)文部科学省も指導を強めてもらいたい」としている。