「殺しについては、うちがします」

 この「事実関係証明書」については、後の松永と緒方の裁判でも登場しており、たとえば少女の父親である広田由紀夫さんの場合であれば、彼自身が不動産会社に勤務していた際に、消毒費用を着服したり、駐車場手数料を横領したことなどを、自筆で告白させている。そのうえで、〈どうか許して欲しい。以上のとおり記載した事実はすべて真実である。後日のためにこの書面を差し入れて証明する〉などと書かせ、末尾に作成の日付と本籍地、住民票上の住所地、現住所を記させ、署名、押印までさせていたのだった。

 同様の書面はいくつもあり、それらはすでに、小倉北署による家宅捜索で押収されていたのである。

「最初の(松永と緒方を逮捕した広田清美さんに対する)監禁・傷害については小倉北署でやってほしいと。それで殺しについては、うち(特捜班)がしますからと話しました。あとは原武裕子さんの件もうちがすることになりました」

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 清美さんについては、彼女が保護された児童相談所で、小倉北署のY係長と女性警察官であるK巡査部長が話を聞いていた。

マンションの家宅捜索に入る捜査員ら

 小倉北署では捜査本部事件が多く、戒名(捜査本部名が書かれた用紙)は署内に貼られていたが、実際に捜査本部が置かれたのは、小倉北署の横にある、自動車警ら隊などが入る建物の2階にある一角だった。