母に大学合格を伝えたら「あっ、そう。うちはお金ないから」と…
――大学に行ったことで達成感はありましたか?
山田 ありました。「大学に行ったんだ。私、やれるじゃん」となってましたね。同時に「お金をどうにかしなきゃ」ともなっていました。学費は奨学金で全額借りて。今も返してますよ。返済は何十年もかかる計画ですね。
――山田さんが大学に入学した頃ってコロナとはかぶっていましたか。
山田 全部かぶってます。だからほぼ学校に行っていないです。家でパソコンを見ながら授業をするだけなのにあんなにお金を払って。同じ大学の子たちはSNSで友達を作って、学校に通っていない分遊びに行っている。
一方で私は学費のためにアルバイトをしていましたから「大学って何の意味があるんだろう」って本当に思ってました。超つらかったですよ。それでも、これは今までの人生で頑張ってきたからその分のお休み、人生の夏休みと思いながらふわふわしてました。
――ちなみにご両親には大学に行くことは伝えたんですか。
山田 奨学金を借りるには親の名前が必要だったので、その際に連絡しました。「大学に受かりました」と母に伝えたら、開口一番「あっ、そう。うちはお金ないから」と言われて。普通、嘘でも「おめでとう」のひと言くらいは言ってくれてもいいと思いませんか!?
あんなに頭が悪かった子が理系大学に受かったんですよ。「すごいじゃん」とか言うじゃないですか? でもないんだと思って。
そうした言葉を心のどこかで期待していた部分も多分あったんだと思います。でも母の言葉を聞いた時に「よかった。私は間違ってなかったんだ。この人たちと距離を置いて」と心底思う自分もいました。
撮影=志水隆/文藝春秋
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