令和の怪物のMLBデビュー戦は、かつてない期待と緊張が交錯する舞台となった。豪速球を連発しながらも制球に苦しんだ佐々木朗希。その若き才能の苦闘を支えたのは、やはり「超人」大谷翔平のバットだった。期待に応える劇的な本塁打で観衆を熱狂させ、試合後には豪華な和食でチームメイトをもてなす。
リーダーとしての自覚を深め、仲間を「最高」の形で鼓舞する大谷。日本開幕2連勝の裏側にあった、絆とホスピタリティに満ちた遠征の真実を『SHOーTIME 4.0 大谷翔平 二刀流復活と連覇の軌跡』(徳間書店)より一部を抜粋して紹介する。(全3回の3回目/1回目から読む)
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悪戦苦闘した佐々木朗希のMLBデビュー戦
東京での第2戦は、佐々木朗希のMLBデビュー戦となった。2024年の山本と同じく、佐々木も初登板では悪戦苦闘することになった。
「ロウキのように若さと才能を備えた選手がいても、最初はいろいろあると思うよ」
ロバーツ監督は試合前にそう明言していた。
「もちろん、絶好調でいい状態のこともあるし、経験不足から苦しむ場面も今後必ず出てくる」
メジャー初先発の機会を与えられた佐々木が、強い好印象を残そうとしているのは誰の目にも明らかだった。MLB投手として最初に投じた6球の球速は、99.4マイルから100.5マイルの間だった。
だが、この舞台はやはりこの23歳の若者には荷が重すぎたようだ。
最初に対戦した打者12人のうち、5人を四球で歩かせることになった──うち3回には3打者連続の与四球もあった。それでもカブスに許した安打は1本、それも内野安打だけで、投球3回だったがわずか1失点に抑えることができた。
結局、ストライクは56球中わずか25球にとどまったが、3回に3連続四球で満塁になった際には、マイケル・ブッシュとマット・ショーを連続三振にきってとり危機を脱出した。
「ちょっと緊張していた」と率直に語った佐々木
「祖国の日本で投げられるという強みはあったけれども、彼にとってはこれがメジャー初登板だったんだよ」
そう言ってドジャースのマックス・マンシー三塁手がかばった。
「昨日からロウキは、何人かに“明日は緊張しそうです”って言ってたしな。まあ、想定通りといったところじゃないか。ここはメジャーリーグなんだしな」
佐々木本人もメジャーデビュー戦で「ちょっと緊張していた」と率直に認めた。
だが、佐々木にかけられる期待は、ポスティングの時点から天井知らずに高まっていた。日本時代にも100マイルの豪速球を連発し、決め球のスプリッターを「世界最高」と評したアナリストもいたくらいなのだ。
