明確になったという佐々木の課題

 佐々木はこのMLBデビュー戦で15球のスプリッターを投じたが、カブスの打撃陣はほぼすべてを見送った。バットを振ってきたのは二度だけで、見逃しのストライクが1球だけあった。

「今日の僕は、スプリッターのコマンドに難があり、特にホーム上に投げるときはうまくいきませんでした」

 佐々木は試合後に通訳を通じてそう総括した。

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「スプリングトレーニングのときからそういう問題が出ていたわけではありません。ですから、ある意味でこの試合で課題が明確になったのは僕にとってよかったことだと思っています。今までとは違うことが多々あります。環境も違うし、気温も違いますし、いろいろなものが前とは違っています。ですから、今後は新しい環境に合わせつつ、自ら解決と修正を重ねていきたいと思っています」

 もし、佐々木のデビュー戦が満足に足る結果ではないものだったとしても、ドジャース全体で見ると出来は上々だった。トミー・エドマン、キケ・ヘルナンデス、そして当然ながら大谷翔平も本塁打を放ち、カブスに6-3と快勝できたからだ。

 

「大舞台になればなるほど、大谷はいつも何かやってくれる」

 大谷の本塁打は、ライトのフェンスをかすりながら越えたような1本で、リプレイ検証が必要となるものだった。あらためて結果が追認されると、大谷の本塁打を見るために集まった東京ドームの観客は大歓声を上げた。

「何と言えばいいのかな、ショウヘイだってわれわれと同じようにズボンをはくときは一度に一本の脚しか入れていないはずなんだ。だが、超人というものが本当に存在するとするなら、ショウヘイこそが超人そのものと言わざるをえないな」

 ロバーツ監督はあらためて感嘆を隠さず、試合後の会見に応じた。

「とにかく大一番とか、大舞台になればなるほど、あいつはいつも何かやってくれるんだよな」

 エドマンは、期待が最高潮に高まったときにこそ本領を発揮する大谷の能力をそう評した。

「笑ってしまうくらい意味不明だ。ショウヘイはいつもビデオゲームをやっているかのように結果を出すんだよな。オレらはみんな毎日身を削り、必死の思いで試合に勝つためにできることをやろうとしているんだよ。でも、彼だけはまったく別次元で、あっさりとやってしまうんだよな。それも毎日のように、ずっと続けているんだよ」