AIが仕事を奪う一方で、株価は上がり、富裕層はさらに増えていく――。世界的な「カネ余り」とAI革命によって、いま社会では“働かなくてもいい人”と“働きたくても働けない人”の二極化が進んでいる。
「成長するのに雇用は減る時代」の実態を、金融アナリストの高橋克英氏の新刊『超富裕層に「おもてなし」はいらない 世界の一流が日本に惹かれる本当の理由』(講談社)より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/最初から読む)
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二極化する日本人の資産額
カネ余り時代の資産効果により富裕層が増えており、高級外車や不動産など活発な消費や投資によって経済が潤ってきている。マクロ経済全体でみれば、消費主体であろうと投資主体であろうと、富を生み出すのであればどちらであっても問題ないのかもしれない。
とはいえ、カネ余りで消費や投資が牽引する社会では、更なる格差社会を呼ぶことになる。元手となる不動産や株式など金融資産を持つものは、資産価値の高騰により更なる消費や投資が可能になり、ますます富むことになる。
金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」によると、我が国の金融資産保有額(総世帯)は、1000万円以上が28.4%に対して、100万円未満も37.7%存在しており、二極化している(図表2‐2)。
平均値は1245万円に対して、中央値は250万円となっており、一部の富裕層が平均値を引き上げているのが分かる。
富裕層の増加と働かなくてもいい時代の到来は、そうでない者との更なる格差を生むことになっている。

