全部を撮り終えて、鈴木さんに『いいですか?』と言って終わりにした。さっきまで生きていたシーラカンスの生態として観察できるものは、全部記録したよ。

興奮しながらも、冷静な眼差しではいたね。プロフェッショナルとしての意識は、その時もあり、残りのフィルムを計算して撮影していた。いくら回しても平気な今のビデオとは違うから」

撮影シーンが終わると、堀田さんも落ち着いてきた。この後の述懐は、少ししみじみした口調となった。

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僕の目にもオーラが見えた

「撮影するシーラカンスの傍らには、後で名前を知ったスーレ・アスマニ親子がいた。彼らはシーラカンスの口に(釣り針の)フックをかけてミッシーを持ったまま、超然としていた。決して『俺が獲ったぞ』と誇る顔でなく、じっとしていた。

中でもシーラカンスの目とオーラは鮮明に覚えているよ。エメラルドの目は、宇宙の天体と結びついているような気がした。シーラカンスから出ていたオーラは、天井まで噴き上がっていた。圧倒的にすごい、音を立てているように感じるほどだった。

あのオーラこそ、絶滅したとされたけど太古から生き抜いていた、シーラカンスそのものだったんじゃないかな」

エメラルドグリーンの目を見開いたまま、オーラを漂わせるシーラカンス。実に神秘的だ。シーラカンスから「オーラがぶわーっと立ち上がっていた」と最初に聞いた時、僕はどうにもピンとこなかった。

しかし、堀田さんが身振り手振りもまじえてする熱弁を聞いているうちに認識が変わる。脳内に再現したコモロのシーラカンスからもオーラが立ち上がってきた。生命力にあふれた生き物のみが持つ、強くて濃いオーラが。

(初公開日:2026年4月28日)

高野 真吾(たかの・しんご)
ジャーナリスト
1976年生まれ。埼玉県川越市出身。早稲田大学政治経済学部在学中に、早稲田マスコミ塾に入って文章を書く面白さに目覚め、1998年に報道機関に入社。社会、経済、国際ニュースに幅広く携わりながら、次第にネットニュースにも活動の幅を広げる。20代からマカオ、韓国、ベトナムなどの海外でカジノを経験してきた。
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