堀江貴文とひろゆきの“パーカー観”

 堀江氏は、「50過ぎても余裕でパーカーを着てるおじさんです」と反応し、また「商談でもいつもパーカーを着てる」と述べています。そして「世の中の大半はまわりにビクビクしながら生きているから、そういう人たちが着なくなるよね」と、年齢にかかわらずにパーカーを着ることを積極的に擁護していきました。ふだんからその発言が注目を集める堀江氏ではありますが、こんな意見を投稿しました。

 色んな世代の、色んな民族の、色んな考え方を持ってる人がお互いをリスペクトしあって交流する社会が私は理想だと思います。

実業家の堀江貴文氏 ©文藝春秋

 正論です。しかし、ファッションにおいてこのような考えを実践するのはなかなか難しいこともまた事実です。だからこそ、社会的影響力をもつ人物によるこういった発言は、一般の人々が年齢問わずにパーカーを着ることを後押しすることになるでしょう。

 一方ひろゆき氏は、当初「パーカーおじさん」についてそれほど言及はしていないようでしたが、「パーカーを着るおじさんについてどう思いますか」というコメントに対し、次のように答えています。

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 ぼくは、パーカーを着たい人は着ればいいし、パーカー着たくない人が、パーカーを着てるおじさんを見たくない人は、別にぼくに近寄らなければいいだけだと思うので。お互いに距離感をとって、好きな服を着て、好きな生活をすればいいんじゃないかなあと思ってるんです。

 これもまたまっとうな意見です。しかし興味深いのは、ひろゆき氏がこの質問に答えた場所です。実はひろゆき氏は、自身がプロデュースするパーカーの製品発表会で、この質問に答えたのです。ひろゆき氏がプロデュースしたパーカーは、特殊なアラミドという繊維を用いて、「燃えない」「切れない」を実現した丈夫なパーカーです。

 自身の動画配信のときにいつもパーカーを着るというひろゆき氏が、より丈夫で長持ちするパーカーを求め、それを日本の技術で製造したものです。そして「パーカーおじさん」に対して世間の注目が集まっているさなか、絶妙のタイミングで記者発表が行われました。

自身がプロデュースしたパーカーは完売に(ひろゆき氏のYouTubeより)

 もちろん特殊素材を用いたパーカーの開発には時間がかかりますから、偶然ではあるのでしょう。またひろゆき氏が当時発表したアイテムには、プルオーバーやジップアップのパーカーばかりでなく、Tシャツや長袖シャツもありました。ひろゆき氏は、自らが手がけたパーカーを着て、「着たい人が着ればいい」と述べました。パーカーがカジュアルなスタイルを代表するアイテムとなっていることを効果的に印象づける会見でもありました。(つづく)

次の記事に続く なぜIT起業家はビジネスでパーカーを着るのか? “日本製の黒いトップス”を着続けたスティーブ・ジョブズの衝撃