先天性の難病「顔面動静脈奇形」で鼻と上唇が変形し、40回以上の手術を受けてきた河除静香さん。現在は、見た目による差別を受けてきた体験を芝居にし、地元・富山県を中心に上演会も行う。
そんな河除さんは、歯を3本失うなど、妊娠・出産時にも壮絶な体験をしていた。
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マスクをしたらすごく楽になった日常
――ふだんからマスクをして生活しているんですか。
河除静香さん(以下、河除) そうですね。コロナ以降、マスクをしていても違和感を持たれなくなったので 助かっています。
外出する時はもちろんですし、サンルームで洗濯を干す時も着けてます。
――ご近所の方にもあまり見られたくないということで。
河除 演劇でも今日の取材でも顔は出しとるんですけど、職場とか近所とか、それこそ宅配便の人が来たとしても、いつもマスクして出るというかたちで。
――やっぱりマスクをしていると気持ちが楽ですか。
河除 そうです。してなかったら外出するだけでもしんどいですね。してない時期もあったんですけど、近所のスーパーに行っても、「お化けがおる」って小さい子に言われたりして。
その時はソフトクリームを持っとったんですけど、そそくさと車の後部座席に隠れて食べたりして。「なんでこんな思いして食べんならんの」って惨めな気持ちになって。でも、マスクをしたらジロジロ見られるとか、嫌なことを言われるとか、そんなことは全然ないのですごく楽です
妊娠のリスクを知らず、命がけの出産に
――お子さんが2人いらっしゃるということですが、お子さんには病気について説明されているんですか?
河除 子どもらにとっては、“お母さんは生まれた時から入退院を繰り返してる人”なんですよね。鼻血が出るところも見とるし、顔もどんどん変わっとるしみたいな感じで、改めて説明はしてないですけど、子どもらはすんなり受け入れています。
――出産時はとても大変な経験をされたそうですね。
河除 私の場合は、血液の量が増える妊娠自体がすごくリスクが高いらしくって。それを知らなかったから2人作れたんですけど(笑)。
ただやっぱり影響は出てしまって、長男の妊娠中には鼻だけでなく、耳や口からも血が出て止まらんほどで。産後に手術をして止血したんですけど、その影響で皮膚がケロイド上になってしまって。その2年後に放射線の治療も受けたんですけど、副作用で前歯が3本無くなりました。それ以降、マスクは欠かせなくなりましたね。
――まさに命がけの出産だったと。
河除 結婚前から、病気が遺伝するかどうかは気になってたので主治医には聞いていて、遺伝性はないということでした。ただ当時はまだ解明されてなかったということかもわかりませんが、その時は妊娠出産がダメだともいわれなかったんです。
次男の時は妊娠後期に倒れてしまって、出産と同時に手術をしました。

