テレビ局には“面白理不尽”上司がいる

高橋 ちなみに、面白い理不尽上司っていました?

坂井  いや、面白くない理不尽上司しかいなかったですね(笑)。

高橋 その点テレビ局は、理不尽な人が皆面白いんだよね。昔、ペット番組をやっていた時に、番組の映像を繋いでチェックする「プレビュー(試写)」に上司が自分の飼い犬を連れて入ってきたんですよ。そして犬をテーブルに座らせて、「◯◯くんも一緒に見るから」と言い出して。犬に向かって試写をしたんですよ(笑)。

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『ReHacQ−リハック−』より

坂井 (笑)

高橋 ディレクター10年目にして「犬に試写を見てもらう日が来たか」と(笑)。さすがに解釈はできなかったけど、これは“面白理不尽”だなと思った。

坂井 「犬のユーザー目線」が必要だったということですか?

高橋 「◯◯くんが鳴いたら怖いということだから違う」と。すごく面白かったんだよね。

坂井 確かに、自分から見ると理不尽だと思っているだけで、大体相手には相手なりの正義があったりするわけです。例えば私が前職のDeNAで子会社の代表をしていた時、ビジネスモデル的に危ないからM&Aを推進しようとしたんです。すると、他の取締役から猛反対されました。

 なぜこんなに反対するんだろうと思って理由を聞いてみたら、「今、家庭の事情があって、雇用が不安定になるのは困るんだ」と言われたんです。「経営者としてそれは違うだろ」と思う気持ちもありましたが、自分が同じ立場だったらすごく分かるな、と。『ReHacQ』でも、視聴者として観ていて「この人、何か隠したな」と思う時がありますが、裏には何かその人の守りたいものがあるんだろうなとも思いますね。

高橋 理不尽な上司に対して「クソが!!」と思った時は、どうすればいいんだろう……。徹底的に「なぜ自分はこれを理不尽だと思ったのか」と「相手の背景に何があったのか」を考え抜いた方がいいですよね。

坂井 そうなんです。理不尽だと思ったとしても、相手の背景や大切にしている思いを汲み取ることが大切です。