SMAPメンバーの顔が、全員子どもの表情に

映画『Michael/マイケル』より。マイケルには周りを子どもの表情に戻すスター性があった

 スタジオではSMAPのメンバーが現れ、新曲「buzzer beater」の収録が再開された。ディレクターの卓に座ったマイケルは、それを眺めている。

「マイケルがいるということ自体、あまりに現実味がなくて『このマイケル、本物なのかな?』って、まだ信用できていなかったです(笑)。でも、マイケルがSMAPのダンスと歌を見ながら、指でタタタンとリズムを取るんですよね。それを見て『あ、やっぱり本物だ!』と(笑)」

 その最中、「buzzer beater」の演奏が、突然止まる。メンバーがとまどう。すると突然「ビート・イット」が流れてきて、マイケルが姿を現す……。

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「スタジオには、マイケルの子どもたちも同行していたんです。お父さんが登場するとなったら、彼らが『フォー!』って歓声をあげるんですよ。『パパがステージに立つときには歓声をあげる』という教育をしていたのかな……。それも含めて、マイケル・ジャクソンというスターの凄味を感じましたね」

 マイケルを見た瞬間、SMAPのメンバーの表情が変わっていく……。この情景は、鈴木の小説『もう明日が待っている』(文藝春秋)に細かく描写されている。

「小説にも書きましたけど、彼らも『スマスマ』を長くやっていると、誰が来てもどんとこいだったと思うんです。でも、マイケルが来たときに、みんなそろって子どもの顔になって『マイケルだ!』という驚きの表情になった。あの顔が見たかったし、あの時の彼らの表情は忘れられないですね……」

 撮影から5日後の6月5日、登場までのドキュメント、そしてSMAPとの共演までを収めた「緊急ドキュメント マイケル・ジャクソンがSMAPに内緒でスマスマに来ちゃいましたスペシャル!」が放送された。この日の平均視聴率は22.0%、瞬間最高視聴率は25.9%を記録している。

「マイケルの記憶ですか? とにかくすごかったとしか言いようがないですよ。オーラ……というか後光が差していた。マイケルは無条件でスターなんだな、と思いました」

 この『スマスマ』への出演は、マイケル・ジャクソンが日本のテレビバラエティに出演した唯一の記録である。

©︎文藝春秋/石川啓次

すずき・おさむ 1972年、千葉県生まれ。19歳で放送作家としてデビュー以降、バラエティを中心に数々の人気番組を構成する。2024年に放送作家・脚本業を引退。現在は、toC向けファンド「スタートアップファクトリー」を立ち上げ、その代表を務める。著書に妻・森三中の大島美幸さんとの結婚生活を綴った『ブスの瞳に恋してる』(マガジンハウス)『もう明日が待っている』(文藝春秋)『最後のテレビ論』(文藝春秋)『仕事の辞め方』(幻冬舎)などがある。

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