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真犯人の正体
そこで警察は新たな手掛かりを見つけるため、現場周辺から事件後に転居した人物まで捜査対象を拡大することにした。その中に混じっていたのが真犯人の矢吹政広(同37)である。
矢吹は事件当時、被害者宅から約400メートル離れたアパートに住み、桃香さんのバイト先だった居酒屋から300メートルほど離れた不動産仲介会社に勤めていた。
矢吹は事件の2カ月前、「長く付き合っていた彼女と結婚することになった」 「彼女のお父さんが経営している飲食店で働く」「新婚で暮らすマンションも用意されている」などと言って会社を退職。しかし、その実態はなく、実家とアパートを往復するだけの生活を送っていた。
事件前日には実家からアパートに戻っていたことも判明した。事件当日には桃香さんの自宅近くの防犯カメラに写っていたことも判明した。事件翌日にはアパートの管理会社に「引っ越すことになった」と連絡し、それから1週間後には実家に住民票を移していた。
捜査員はあくまで当時の住民の一人として、矢吹のもとを訪れた。矢吹は「事件の2カ月前には会社をやめて、実家に帰ってきていたので、事件とは無関係」と説明したが、捜査員の求めを拒むことはできず、自分の口腔内細胞を提出した。
それから2週間後、警察は色めき立った。ついに桃香さんの遺体から検出された犯人のDNA型と一致する人物が見つかったからだ。