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警察は被害者宅から半径500メートル圏内に住む75歳以下の成人男性に対し、任意のDNA鑑定を実施した。約80人の捜査員が検査キットを持って、各家を訪問した。仮に協力を拒んだ場合、その理由を追及すれば、自白する可能性もある。とにかく犯人に接触できさえすれば、逮捕は時間の問題と考えていた。
ところが半年を過ぎ、検査対象が1000人を超えても、犯人と一致するDNA型を持った人物は見つからなかった。
真犯人の正体
そこで警察は新たな手掛かりを見つけるため、現場周辺から事件後に転居した人物まで捜査対象を拡大することにした。その中に混じっていたのが真犯人の矢吹政広(同37)である。
矢吹は事件当時、被害者宅から約400メートル離れたアパートに住み、桃香さんのバイト先だった居酒屋から300メートルほど離れた不動産仲介会社に勤めていた。
矢吹は事件の2カ月前、「長く付き合っていた彼女と結婚することになった」 「彼女のお父さんが経営している飲食店で働く」「新婚で暮らすマンションも用意されている」などと言って会社を退職。しかし、その実態はなく、実家とアパートを往復するだけの生活を送っていた。