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事件前日には実家からアパートに戻っていたことも判明した。事件当日には桃香さんの自宅近くの防犯カメラに写っていたことも判明した。事件翌日にはアパートの管理会社に「引っ越すことになった」と連絡し、それから1週間後には実家に住民票を移していた。
捜査員はあくまで当時の住民の一人として、矢吹のもとを訪れた。矢吹は「事件の2カ月前には会社をやめて、実家に帰ってきていたので、事件とは無関係」と説明したが、捜査員の求めを拒むことはできず、自分の口腔内細胞を提出した。
それから2週間後、警察は色めき立った。ついに桃香さんの遺体から検出された犯人のDNA型と一致する人物が見つかったからだ。
「被害者とは会ったこともありません」
当時でも同じ型を持つ人間は4兆7000億人に1人しかいないとされていた。警察は逮捕状を請求し、矢吹を殺人容疑で逮捕した。
調べに対し、矢吹は「被害者のことはまったく知りません。被害者の家に行ったこともないし、会ったこともありません」と否認した。
事実、桃香さんとの接触の形跡はなく、お互いの携帯電話からもアクセスの記録はなかった。