見知らぬ男の車に閉じ込められたリンは、車内で何度も「帰して」と訴え続けたという。だが、カワムラは彼女を帰すつもりなど毛頭なかった。人目のない場所へ連れ込み、彼女を強姦しようと企てていたのである。

 カワムラはとりあえず人気の少ない西湖方面へと車を向けた。助手席で解放を懇願し続けるリンを黙らせるため、彼は車のドアポケットに入れていたサバイバルナイフを取り出した。野鳥の森公園近くのバスレーンに車を停めると、カワムラはリンにキスを迫った。リンがこれを拒絶すると、カワムラはサバイバルナイフを突きつけて脅迫に及んだ。刃物を前にしたリンは身体をこわばらせ、声を出すこともできなくなった。カワムラはキスをし、胸を揉むなどのわいせつな行為に及んだが、他人の目につくことを気にして、その場ではそれ以上の行為に及ぶことはなかった。

 その後、リンが「トイレに行きたい」と訴えた。カワムラは近くにトイレがあるにもかかわらず、野鳥の森公園から北方約10メートル離れた道端の空き地で、リンに用を足させた。

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 用を足し終えた後、カワムラはリンが逃げ出したり騒いだりできないようにするための行動に出る。車内にあったビニールテープを取り出し、リンの両手と両足を縛り上げて身体を拘束したのである。そして、緊縛した彼女を後部座席に押し込み、外から見えないように上着を3枚ほど被せて隠した。

緊縛されトランクへ…

 手足を縛られたリンを乗せたまま、カワムラは山梨県富士吉田市内を車で回り始めた。人気のない場所を探しては車を停め、ビニールテープの状態を確認するという名目でリンの胸や太もも、陰部を触るなどしたが、車の通る音が聞こえた気がするたびに発覚を恐れ、犯行を思いとどまっていた。

 やがてカワムラは、誰かに見つかってはまずいと焦りを抱き始める。そして、手足を縛り上着を被せたリンを、あろうことか車のトランクの中へと移し替えたのである。

 トランクという光も音も遮断された狭い密室に閉じ込められたリンを乗せ、カワムラは少しでも遠くへ行こうと、静岡県沼津市方面へと車を走らせた。

 翌29日の朝。沼津市内を走行中、トランクの蓋がわずかに開いて持ち上がるという事態が発生した。驚いたカワムラは慌てて空き地に車を停め、トランクの蓋を閉め直した。その後、午前8時前、人目を避けてトランクの中を確認できる場所として、沼津市内の江浦隧道を見つけ、その内部に車を停車させた。

 トランクを開けると、リンは長時間の監禁と恐怖からか、ぐったりと衰弱していた。カワムラはリンをトランクから出し、後部座席へと移して手足のビニールテープを外した。そして、逃走を防ぐため、あるいは捜索の目を誤魔化すために、持っていた自分の服をリンに着替えさせた。さらに、リンが所持していた携帯電話機を取り上げ、外部と連絡が取れないように電源を切った。