本件は香港のオンラインニュースサイト「ディムサム・デイリー」など一部の海外メディアでも、「豪華ホテルが廃屋であることが判明」「人気の旅行サイトに『偽ホテル』が出現するという不穏な傾向」「憂慮すべき詐欺の事例」として報じられた。

なぜ架空のホテルが、そのまま予約できてしまうのか。千葉の空き家の一件から見えてくるのは、ネット予約サイトが抱える影の一面だ。

検証なく物件を掲載し、危険だと告げるレビューを目立たない位置に隠し、場合によっては顧客サポートも満足に対応しない。

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こうした欠陥を抱えたまま営業し、今日も世界中で同種の被害を生み続けている。

ブッキング・ドットコムはオランダに本社を置くOTA(オンライン旅行代理店/ネット予約サイト)で、海外では広く利用されている。日本の物件の掲載も豊富で、日本のユーザーが国内旅行で利用することももちろん可能だ。

OTAには、ホテル公式サイトでの予約よりも割引料金で宿泊できることが多いほか、旅行先地域のホテルを一括して検索・比較できる強みがある。国内のサービスとしては「Yahoo!トラベル」や「楽天トラベル」が挙げられる。

わずか15分で偽物件を掲載できた

なぜ架空の物件がプラットフォームに掲載され、旅行者はそれと知らず予約してしまうのか。英消費者情報誌『ウィッチ?』が、独自の実験でその答えを突き止めた。

同誌は架空の貸し別荘をブッキング・ドットコムに登録してみた。身分証の提示は一切求められなかったという。わずか15分足らずの作業で、掲載は完了した。

同じホテル・民泊予約サイトでも、大手エアビーアンドビー(Airbnb)やエクスペディア(Expedia)傘下のバーボ(Vrbo)で同誌が登録を試みた際には、運転免許証やパスポートの提示が求められた。ブッキング・ドットコムの場合は、事業者の身元をチェックせずに掲載しているということだ。

しかも同社では、物件の説明文がアルゴリズムで自動生成され、25言語に翻訳される。正規の物件も詐欺的な物件も同じアルゴリズムで説明文が作成されるため、外見だけでは本物と偽物を見分けるのは難しい。