ガーディアン、ニューヨーク・タイムズ、テレグラフの3紙報道から、同じパターンが見えてくる。個人が訴えても放置されるが、記者が介入して初めて、返金や掲載の一時停止に動く構図だ。

ブッキング・ドットコム自体は物件の出品者ではなく、仲介者を自任する。責任の所在が曖昧になりやすく、外部の圧力なしには動かないことがある。

「私たちは物件を所有しているわけではない」

「自分たちは仲介者にすぎない」との論理が、なぜまかり通るのか。同社のビジネスモデルに目を向ければ、その理由が見えてくる。

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ブッキング・ドットコムのオランダ本社でシニア・リレーションズ・スペシャリストを務めるマリオ・エラン・ムーロ氏は、ニューヨーク・タイムズの取材に対し、「私たちは物件を所有しているわけではない。物件を案内する方法はいくつか考えられるが、最終的にはすべての情報は物件側から提供される必要がある」と語った。掲載された情報に関する責任はすべて物件側にある、とも取れるコメントだ。

ニューヨーク・タイムズは、同社などOTAのビジネスモデルには欠陥があると指摘する。世界的な大手仲介業者でありながら、自らが売るサービスの中身をろくに把握していない、との指摘だ。また、問題が起きても、介入する仕組みすら整っていない。

同社が主張する免責の姿勢は、契約書の中にも仕込まれている。テレグラフは、契約上、利用者が契約を結ぶ相手はブッキング・ドットコム自体ではなく、物件のオーナーだと注意を促す。

仲介手数料はブッキング・ドットコムに入るが、責任は物件オーナーが負う。利益は受け取るが、利用者への責任は負わない構図だ。

偽物件の次は個人情報流出

ブッキング・ドットコムをめぐっては、利用者の個人情報の流出も報じられている。

ユーロニュースの記者が、ジャカルタの空港ホテルを予約したときのこと。出発の1週間前になって、メッセージングアプリのワッツアップ(WhatsApp)に、1通のメッセージが届いた。