低評価レビューに気づきにくい設計
掲載自体を防げなかったとしても、実際の予約者の声がレビューに反映されていれば、危険な物件を見抜きやすいはずだ。だが、なぜ悪質なホテルに次々と予約が入ってしまうのか。
同誌が検証したのは、モンテネグロの首都ポドゴリツァにある貸し別荘だ。総合スコアは10点中の6.4点で、これはずいぶんと低い数字だが、ブッキング・ドットコムは「快適」に分類している。
この貸別荘をデフォルトの「最も関連性が高い」順で見れば、まず「素晴らしい(9点)」「良い(7点)」という好意的な2件のレビューが目に入る。
ところが「新しい順」に切り替えた途端、直近12件中10件が「詐欺」「悪夢」という酷評だった。残りの2件は不自然な満点(10点)を付けており、同誌は(施設関係者が書き込んだなど)不審なレビューの可能性があると指摘している。
指摘に対しブッキング・ドットコムは当初、「並び替えればよい」と取り合わなかった。利用者に責任を押しつける対応だ。同誌の働きかけを受け、ようやく表示の改善を約束した。
ところが、約束は果たされていない。昨年12月時点でもレビューはデフォルトで「最も関連性が高い」順のままだと、欧州のニュース専門放送局のユーロニュースが確認している。偽物件の掲載を防ぐ審査も、利用者に警告を届けるレビューも、どちらも機能していない。
通されたのはトコジラミだらけの部屋
物件が実在していたとしても、そこには悪夢が待っていることがある。
昨年8月、出張でロンドンを訪れたフリーランスのMFさんは、深夜、ブッキング・ドットコムで予約したホステルの部屋に足を踏み入れた。そこで目に飛び込んできたのは、マットレスの上を這い回るトコジラミ。枕にも、壁にもいたという。
スタッフに被害を訴えると、別棟の部屋へ案内された。だが、移された先にもトコジラミがそこここに這っている。MFさんはフロントで夜を明かし、夜明けの列車を待って帰宅を余儀なくされた。