激辛の「北極ラーメン」を食べても「辛さを感じない」ワケ
――世の中には辛いラーメンがたくさんありますが、中本は何が違ったのでしょうか?
づけとご 「辛さがおいしい」というか、「辛いのがおいしい」ということですね。ほかのラーメンよりも、辛さがシンプルに突き刺さってくるような気がします。それは、明らかな旨味です。
――「口の中がどんどん蹂躙されていく感じの辛さが好き」という人もいますよね。
づけとご 僕も昔はそうだったのかもしれませんが、もう食べ慣れてしまったので、今は北極ラーメンを食べても、そこまで辛さを感じないんです。もはや「おいしいラーメン」として食べています。
――北極ラーメンを食べられるようになってから、辛いもの全般を克服できるようになったんですか?
づけとご 中本の辛さというのは、唐辛子なんですよ。ハバネロやジョロキアなどは使っていません。一方で、世の中の激辛料理というのは、「スコーピオン」種など特殊な唐辛子を使っています。そうした激辛料理は、今も苦手で食べられないですね。
「唐辛子の味が僕の体に染みついている」
――中本は赤唐辛子だけなんですね。
づけとご もちろん、中本も独自のブレンドを使っていますが、その唐辛子の味がもう僕の体に染みついているんです。あの辛さがいい……。
――でも、もっと唐辛子を入れて、もっと辛くすることもできますよね?
づけとご いや、今の量こそが至高。あえて辛さに上限を設けているところに、魅力と美学を感じます。ただ辛いものを追うのではなく、おいしいところで止めているのです。
――つまり、辛味成分であるカプサイシンの刺激にハマっているわけではない?
づけとご 中本には北極ラーメンや蒙古タンメンのほかに、辛くない塩タンメンのようなメニューもあります。そして、僕は「今日は塩タンメンと北極ラーメンのどちらを食べようか?」と行くたびに迷うくらいです。つまり、中本を辛いから食べるというより、おいしいラーメンだから食べているんです。
――それでは、麺とスープのどちらにおいしさを感じていますか?
づけとご 麺も美味しいですが、スープはすべてのバランスが取れていて、食べ慣れると「甘さ」も感じられます。北極ラーメンは辛さに尖ったスープですが、その中にある旨味も感じられてきます。
「もう食べられないのか」ショックだった初代中本の閉店
――ここで、中本の歴史を振り返りましょう。蒙古タンメン中本以前の「中国料理中本」とは、どんなお店だったのでしょうか?
づけとご 今みたいに接客が良いわけではなく、昭和のおじさんたちがやっているような、つっけんどんな感じのお店でした。僕は最初の頃、毎回ラーメンを残していたので、あまり良い客ではなかったと思います(笑)。

