――“正しい味”とはまた別。

づけとご 例えば、本来は辛さ3程度のメニューですが、「この人はちょっと辛めに作るな」と思うことがあります。

――頭の中に“基準”がある。

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づけとご 基準の範囲内で、このお店はどの辺りの味なのかというのを楽しんでいるんです。

人気メニューのひとつ「味噌タンメン」。辛さは3程度(写真=「中本の道」より引用)

「ちょっとした揺らぎが最大の魅力」なぜ毎日中本を食べても飽きないのか?

――そこまでいくと、行きつけのお店で「づけとごラーメン」を作ってもらえそうな気もしますが……。

づけとご そんなのは邪道です。それに、僕は感想を言いすぎないようにしているんです。だって、僕の好みに寄せて作ってもらいたいわけではありません。「あなたが作るこのメニューは、どういうイメージなんですか?」というのを確かめながら食べるのが楽しいんですよ。

――「究極のお客さん」ですね。それでは、「おすすめの店舗を3つ教えてください」と言われても難しいということですね。

づけとご どの店舗にも、それぞれの良さがあります。どの店舗も人が作る魅力があるから、飽きないのです。完全に均一なラーメンだったら、たぶん飽きています。ちょっとした揺らぎが、中本最大の魅力だと思っています。

――とはいえ、自分の好みにぴったりの店舗に通いたくはならないんですか?

づけとご なります(笑)。だから、あえて散らしますね。ひとつの味を覚えすぎないようにしています。

ずっと食べているから、ほんの少しの塩分の違いも感じられる

――ところで、店舗ごとの味の違いって、一般の人にもわかるものなんですか?

づけとご たぶん、多くの人には“ほぼ同じ”だと思います。でも、たくさん食べていると、微妙な違いがわかるんです。そこを感じるのが楽しい。

――本当に「中本通」ですね。

づけとご ずっと食べていますからね。ほんの少しの塩分の違いとか、そういうところを感じるのが面白いんです。

 

――頭の中で、店ごとのデータベースを作っているような感じですか?

づけとご まさに「この人が作るこのメニューはこう」というのを、勝手に整理しています。

――卓上調味料を足したりは?

づけとご 基本的にはしません。店員さんが作った、その味を食べたいので。

――スープは最後まで飲むんですか?

づけとご 昔は飲んでいましたけど、今はスープまで飲むとお腹が一杯になってしまうので飲みません。

――あっ、はい。

撮影=杉山秀樹/文藝春秋

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