高市首相は、ある質問に回答をはぐらかした
男系男子論者の方々は、「皇室の歴史は2600年以上続く伝統がある」と主張しています。それは、『記紀』(『古事記』や『日本書紀』)などの記述を基にしているのでしょう。
ただ、『記紀』に記された皇室の祖とされる皇祖神の天照大御神は女神です。だとすれば、天照の子孫である初代・神武天皇は、女系天皇なのではないでしょうか。その疑問を高市首相に訊ねたところ、「一般的に神武天皇から始まる」と、かわされてしまいました。
また、大正天皇や明治天皇を始め、歴代天皇の多くが側室を母としています。そこで男系男子での皇統維持は側室制度抜きには成り立たないのではないか、とも問いましたが、やはり正面からの真摯な返答はありませんでした。
曖昧な高市首相の論拠…ミスリードと見られる事例も
最も気になったのは、世間の声への高市首相の反応です。国民の間で女性天皇待望論が強まっていることへの見解を聞くと、「私はそのような待望論を承知していません。どのような根拠があるのですか」と、問われたので、驚きながらも一例として、NHKが19年9月に行った調査で、女性天皇に賛成する人が74%、女系天皇も賛成が71%だったことを伝えました。それでも、「その調査については、私は承知しておりません」と、言ってのけたのです。
高市首相は今年、統一教会の内部文書「TM特別報告書」に、自身の名前が記載されていたことが発覚した際、「出所不明の文書」として済ませようとしました。自分に都合の悪いことは、存在そのものを認めようとしない姿勢が、見て取れます。今後、国民の間でいくら女性天皇待望論が高まっても、「承知していない」と突っぱねるのでしょうか。
皇室典範改正を巡り、ミスリードと見られる事例もありました。高市首相は2月、21年に有識者会議がまとめた報告書に触れた上で、「男系男子に限ることが適切とされている」と語りました。しかし、報告書は皇位継承資格と切り離し、皇族数確保策をまとめたものです。木原稔官房長官がその後、本人に代わり釈明する事態になりました。
これほどまでに、首相の論拠は曖昧なのです。あやふやな知識で、重大な問題を論じようとする態度には危うさを感じます。
皇室制度は伊藤らによって、明治時代になって作られたものです。それを令和のいま、“伝統だから”という理由で何も変えないことがいいのか。
令和の私たちの価値観や社会に皇室が適合していなくては、国民統合の「象徴」とは言えないのではないでしょうか。
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