「原さんに引導を渡してまで、慎之助に監督のイスを」
こうした中で、さる球界関係者は阿部氏が辞意を表明するのは今回が初めてではない、と語る。
「慎之助はヘッドコーチ時代にも球団に辞意を伝えたことがあり、今回は2度目なんです」
2023年、ヘッドコーチだった阿部氏は原辰徳監督が3年連続で優勝を逃したことの責任を取るため、一度は球団に辞意を伝えたという。しかし原監督の“次”に阿部氏を想定していた球団はこれに慌てた。
原監督の契約は2024年まででまだ1年残ってはいた。しかし球団は、それでも阿部氏を慰留するために前倒しで監督交代を進めた。
「原さんの次は慎之助というのが自然な流れで、慎之助に辞められると次の監督の人選が難しくなることは目に見えていました。そこで球団は原さんに引導を渡してまで、予定を前倒して慎之助に監督のイスを託した形です」
阿部氏は現役時代、巨人のキャッチャーとして史上初の通算2000本安打、セ・リーグMVPや首位打者に打点王など、数々の栄冠を手にしている。
19年に現役を引退して指導者になった時は数年での監督就任を予想する人もいたが、時代とマッチしない厳格な指導法への懸念もあり球団は慎重な姿勢を維持していた。2軍監督などで阿部氏の“修行期間”は最終的に4年にも及んだ。それでも球団は、阿部を次期監督に据えるという方針を貫いたことになる。
1軍監督に就任した阿部氏は1年目の24年、いきなりチームを4年ぶりのリーグ制覇に導いた。その翌年は3位、3年契約最終年の今季は岡本和真内野手(ブルージェイズ)が抜けた戦力をやりくりしながら上位争いに加わっている。球団の期待に一定の成果で応え、歴代監督にも見劣りしていない成績を残していた。
しかし、阿部氏の契約延長が盤石だったかというと、まったくそうではなかったという。
