高市陣営が総裁選や衆院選で、ライバル候補や野党を中傷する動画をSNSで大量拡散していたというスクープだ。小泉進次郎氏を「無能」「売国」と攻撃し、野党を「クレーマー」と批判する内容まであった。しかも、その作戦に松井氏が関与し、高市陣営の側近秘書と連携していたというのだ。

高市陣営のために中傷動画を作成したという具体的な証言は…

 つまり、サナエトークンの仕掛け人とされる人物は、単なる“仮想通貨の人”ではなく、高市陣営の情報戦にも関わっていた人物だったのである。

 ある意味、松井氏のインタビューは、高市陣営から「知らない」と言われ始めた状況に“くぎを刺す”ようにも見えた。高市陣営のために中傷動画を作成したという具体的な証言は、高市側へのけん制にも読めた。

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 では、サナエトークン問題を追ってきたジャーナリスト・河野嘉誠氏は、この一連の流れをどう見ているのだろうか。筆者がパーソナリティーを務める『プチ鹿島 赤坂タイムス』(TBSラジオ)の5月23日放送回で直接聞いてみた。

 河野氏が特に問題視していたのは、サナエトークン設計者の松井健氏の「説明の食い違い」だ。松井氏は文春で「自分たちはトークンを直接売っていない」と語った。ところが松井氏の会社が仮想通貨の違法な「事前販売」をしていた疑いがある。

 現在では、契約者から数千万円~数億円規模の返金要求が相次いでいる実態もあるという。もはや単なるネット騒動ではない。

 そのうえで中傷動画問題を尋ねると、確かに問題だが「松井健という人物が高市陣営のネット戦略をすべて作った」と単純化するのも違うようだ。河野氏によれば、高市陣営はもともとネット戦略にかなり力を入れていた。24年と25年の総裁選でも政治団体だけでも動画関連に多額の資金を投じていたという。しかも陣営側の説明では、本当に大きかったのは支持者向けの全国行脚だったという。

 ただ、「怪しい人物にたまたま利用された」とだけ見るのも違う。河野氏によれば、松井氏は「木下別働隊」的な感じではないかという。つまり、高市陣営がネット戦略に力を入れていた流れの中に、松井氏が入り込んでいった構図だ。松井氏の目的は、誹謗中傷動画作戦の共犯になることで信用させ、サナエトークンをやることだったのではないか、という。