バットで殴られ死亡した者も

 収容者の大半は栄養失調に陥り、半数が結核を患い、ほぼ全員がダニの寄生による病を患っていた。

 対して、施設には医務室こそ存在するものの医師はおらず、女医を自称する高齢の女性看護師が1人常駐しているだけで、受けられる治療も「傷口に塩をすりこむ」など杜撰なもの。事前に聞いていた話と全く違っていた。

 このような劣悪な環境に耐えきれず脱走を試みる収容者もいたが、職員に見つかると施設に連れ戻され、見せしめとして、バットで殴られたり、肋骨を折られたりするなどの私刑が加えられた挙げ句、そのまま死亡する者もいた。北川によれば入所してわずか1ヶ月で、栄養失調、結核、職員からの暴行などで50~60人が命を落としたという。

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写真はイメージ ©getty

 さらに、亡くなった者の遺体は正規の手続きを踏まず施設の裏山で焼却していたうえ、死亡届も医師ではなく看護師が作成していたそうだ。

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「岡田更生館が提出していた死亡届の数と寺に納骨されていた骨壺の数が合わない」などの情報を得た記者たちは同施設に潜入取材を計画する。彼らが見た「この世の地獄」とは――。

次の記事に続く 「骨と皮だけの痩せこけた収容者」「悪臭を放つ泥のようなメシ」路上生活者を死なせる問題施設に“潜入取材”⋯決死の記者たちが見た【この世の地獄】(昭和24年の事件)