映画作品としては、2017年に公開され1200万人の観客を動員した『タクシー運転手 約束は海を越えて』、2007年の『光州5・18』、1999年の『ペパーミント・キャンディー』などが光州の悲劇を正面から扱っている。

『タクシー運転手  約束は海を越えて』予告編

 2023年に公開された『ソウルの春』は全斗煥新軍部勢力のクーデターの過程を描き、1400万人の観客を動員した。2024年には、作家の韓江(ハン・ガン)氏が光州の悲劇と人間の尊厳を描いた小説『少年が来る』などの作品で、韓国人として初めてノーベル文学賞を受賞したりもした。

 この悲劇的な事件は、韓国において依然としてイデオロギー対立の中心に位置している。被害と責任をめぐる清算のプロセスが長く続いてきたが、全斗煥元大統領は最後まで自身の責任を否認し、謝罪を拒否した。一部の保守勢力は未だに「北朝鮮軍介入説」のような主張を流布し、オンラインを中心に5・18を非難するコンテンツが絶えない。

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“過去の事件”ではない

 被害者の立場からすれば、すでに歴史的評価が終わった過去の事件ではなく、「今も攻撃されている」現在進行形の傷であるのだ。したがって、少しでも5・18を戯画化、すなわちおとしめるような表現をすることに対して、防衛反応が即座に沸き起こることは、ある意味で当然の結果である。

 ここに、陣営間の対立が激しい韓国の政治事情が加わって、論争に油を注いだ。特に李在明大統領はSNSを通じて、「大韓民国共同体と基本的尊厳、民主の価値を否定する悪徳商人の非人間的な所業」「人の皮を被っていては到底できない仕業」「犠牲者を侮辱し、国民を愚弄しながら、密かに楽しんでいたのだろう」「悪徳商人の反倫理的な行為だ」などと厳しく非難した。

 これに対して一部では、企業のマーケティング活動に対する政界の介入の妥当性をめぐる論争も提起され、李在明大統領がある市民団体から、スターバックスの不買を強要したとして業務妨害の容疑で告発される事態まで発生するなど、論争は現在も拡大している。