「ただの親子ゲンカで職を失うことになっちゃうの?」
「おい、ジャイアンツ、阿部監督をやめさせちゃダメだよ」「これただの親子ゲンカじゃねえかよ。それで逮捕されたって事実は重いよ。ただの親子ゲンカでなんで職を失うことになっちゃうの?」「何よりも娘さんはまだ18歳。娘を第一に考えないと。父親の大好きな野球を人生から奪っちゃった。どう思う? これ立ち直れないよ」
自身のYouTubeでこう語ったのは落語家の立川志らく。「奪っちゃった。どう思う?」がまさに「こうして被害者の口を塞ぐ」の見本のようでゲンナリしますね……。この人すぐ「人情」とか言うけど人情をかけるべき人間は強者限定という、プロフェッショナル志らくの流儀を感じるコメントでした。
「本当に心の内はですね、AIというものを憎みたいなと」「まったく内輪の問題だったんじゃないかなって思えてならないわけであるんです」。熱狂的巨人ファンで知られる徳光和夫はラジオ番組でこう語っています。AIにどこか遠くの星からやってきた侵略者のようなイメージがあるのかもしれません。そして家庭の暴力は「内輪の問題」として内々に処理して当然という価値観も同時に晒して、口は災いの元でしかない。
「あの時があってよかった」の危うさ
その「口は災いの元」を最も感じたのが元巨人の中畑清がスポーツ新聞に公開したコメントでした。「辞任はやむなし」としながらも「私は反抗期の娘の尻を『ごめんなさい』と謝るまで叩き続けたことがある。今では許されないことかもしれないけど、私なりの教育だった。妻に先立たれて14年、今はその娘家族と一緒に暮らしている。あの時があってよかった。阿部慎之助家も絶対やり直せると思っている」。
ベイスターズファンの端くれとして、非常に恩義を感じているキヨシ。そしてキヨシの情熱が、あの問題だらけのチームを立て直してくれたことも事実。だけどここにきての「暴力の美談化」は、マシンガン継投くらいの悪手。暴力を振るった側からの「あの時があってよかった」はものすごく危ういファンタジーでしかない。