「シャンパンコールで何をしていいかわからない」それでも初日から売上4000万円

——とはいえ、30歳を超えてホストデビューは、抵抗もあったのではないでしょうか。

夜野 ホストに勧誘してくれたのが、桜木ハルさんという、年間1億円をコンスタントに売り上げ続ける方だったんですね。この方が、今までの人生で会った中で一番と言えるくらいにかっこよくて。「こんな人がいるなんて、どんな世界だろう」と気になったんです。

 あとは幼少期から野球を続けてきたので、負けず嫌いなところも影響しましたね。僕が「月に1000万ぐらい売れるように頑張ります」っていったら、桜木さんが「じゃあ俺はその2倍売るんで」と返されて。そこでホストって怖いなと思いつつも、この人に勝ちたいなと火が着いたのかもしれません(笑)。

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——実際に、デビューした日はどうだったんでしょうか。

夜野 ホストに誘われてから、実際に店舗で働くまで、4ヶ月ほど期間があったんですよね。その間に、本業(税理士)で付き合いのあるお客さんに、「最初だけでもいいから、お店に来てください」って営業をかけたんです。

 そしたら取引先の社長さんなどが門出を祝ってくれました。いわゆる協賛に近い形で、30人近いお客さんにカンパしていただいて、合計4000万円を売り上げることができたんです。

 ただ正直、初日だったんで、内心右も左も分からない状況でした。接客の流れすら覚えていないのに、お客さんは30人近く来るし、シャンパンコールが始まっても何をしていいのか分からない……みたいな(笑)。

未経験ながら飛び込んだホストの世界でナンバーワンに。事務所には当時もらったトロフィーや賞状が飾られている ©石川啓次/文藝春秋

——初日でいきなり4000万円!

夜野 僕の場合、本業で付き合いのある人が多かったので、お客さんはお金を持っている男性の方が多かったですね。結局、入店した初月は、売上8700万円でナンバーワンになれました。

 なぜそんなに売れたのかと聞かれるのですが、大学生の頃まで野球少年だったので、もともとストイックな節があったんだと思います。小学生から毎日素振りは欠かさなかったですし、毎日筋トレしてベンチプレスで150キロまで上げていた時期もありました。それこそホストになる準備期間では、20キロぐらい体重を絞りましたね。

 個人的に、毎日コツコツ続けるのが性に合うというか、何かが衰えていくのが嫌なんです。そういう意味では、かつて野球選手になるための練習も、税理士やホストとして地道に営業を行うのも、僕にとって近い感覚なのかもしれません。

なぜ、数億円も稼ぎながら引退してしまったのか?

 続く記事では年間で数億円を稼ぐようになり、ナンバーワンホストの座に輝いたものの、一転引退を決意した背景にあった「ホスト業界の闇」や裏側を聞いています。合わせてぜひお読みください。

次の記事に続く 丸刈りの野球少年→イケメンすぎる税理士として“ナンバーワンホスト”に→引退……年間3億を売り上げた男性(33)が明かすホスト業界の“暗部”

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