キャバクラが経費として認められやすいワケ

夜野 キャバクラなどの場合は、卓上で取引先と会話をするので、場が盛り上がって商談成立の後押しになれば正当性が認められる。一方で、ソープランドであれば、まず取引先と一緒にプレイすることは考えづらいので、業務上の必要性を証明するのが難しい。いわば「会話があればOK」という曖昧な基準で、経費が計上できるかどうかが変わってくることが分かりました。

 このように経費申告は、明確な基準額や項目がないので、グレーゾーンである場合も散見されます。今回のケースであれば、「ピンクコンパニオンはどうなのか」「風俗でも複数プレイであれば認められるのか」など判断が難しいケースもあるので、疑問に感じたら税理士に相談するのがベターです。

経費として認められるかどうかは、あくまでケースバイケースだと説く夜野さん ©石川啓次/文藝春秋

「無申告」の依頼人に頼まれ、税務署の特殊部隊と相対することも

——夜の業界は無申告が多いと言われていますが、莫大な追徴課税が発生するケースもあるのでしょうか。

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夜野 無申告や脱税の場合、国税局の税務調査に入られる確率が高くなり、追徴課税が発生します。本税(本来納めるべき税金)に加え、期間内に申告しなかった罰則として本税の15~20%、意図的な隠蔽などの場合は本税の40%、そこに延滞の利息がつくため、かなりまとまった追徴が課されるケースが多いです。

——実際に無申告や脱税がバレた場合、どうなるのでしょうか。

夜野 年間1億円を売り上げながらも、確定申告をしていないホストを請け負ったことがあります。彼の場合、店舗に税務調査が入り、芋づる式に従業員にもメスが入ったようで、「東京国税局の資料調査課から電話が来ている」とウチに駆け込んできました。

 ちなみに資料調査課とは「リョウチョウ」と呼ばれる、追徴課税を徴収する専門部隊のことです。税務署では扱えないような大口や、悪質な不正が疑われる事案を専門に調査する集団で、正直厳しい戦いになると予想していました。

 ただ、彼が当該期間の領収書を保管していたこともあり、証拠を提示して税務調査に臨めたのが、不幸中の幸いでした。もちろん調査官からは「領収書を保管しておいたということは、確定申告を知っていたのでは」というツッコミがありながらも、意図的な隠蔽性は低いと証明でき、後日提示された納税額は約4000万円。申告を手伝わなければ、もっと納税額がかさんでいたでしょう。