宇宙船を作りたかった。理系女子・山崎直子の原点

村井 山崎さんご自身が「自分は理系に進もう」と確信されたのはいつ頃だったんですか。

山崎 一番長続きした関心事が小さいときからすごく好きだった宇宙でした。中学生のときに日本の初代宇宙飛行士の方々(旧ソ連の「ソユーズ」は当時TBS記者の秋山豊寛さん、米国の「スペースシャトル」は毛利衛さん)が選ばれたのを見て、「日本人も宇宙に行けるんだ」とすごくうれしい驚きでした。高校のときは理系だろうなと思いつつも文系と悩んでいたのですが、決めたのは高2の半ばぐらいだったと思います。

村井 理系の女性は医学部を目指す方が多い印象ですが、工学部に進もうと思われた理由は?

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山崎 宇宙船を作りたかったんです。絵を描いたり、ものの断面図を見るのが好きだったので、設計できたらかっこいいなという憧れがありました。

 

科学部の「静かな熱量」とチームワーク

村井 伊与原さんは高校の科学部を取材されたとき、高校生の熱量をどのように感じましたか。

伊与原 洲本高校も何度か取材に伺ったんですけど、割と「静かな熱量」で黙々とやっています。顧問の先生は逐一指示は出さず、生徒たちに任せている。生徒たちは先輩がやってきたことを引き継いで、失敗したところ、うまくいったところを改良していく。先生の細かな指示がなくても、自分たちで次々と課題を見つけてやっていっているイメージでした。

村井 作品ではチームワークが描かれていますが、実際の科学部はどうでしたか。

伊与原 そうですね。得意分野がそれぞれあって、電子工作が得意な子はそれを頑張るし、プログラミングができる子はそれをやる。自分の得意なところを見つけて分担している。ロケットのようなプロジェクトをやるには、チームとしてのいろんな機能がないと難しいんだなと思いました。

山崎 高校生対象の「缶サット甲子園」(空き缶サイズの超小型模擬人工衛星の打ち上げを競う大会)というイベントのお手伝いをしていたんですが、4、5人のチームで模擬衛星を作って飛ばすんです。理系の知識を学ぶというよりは、むしろ「みんなで何かをやること」を学んでいる感じがします。

伊与原 作中のみちるミチルという登場人物は最初科学に興味がないんですが、チームで一つの問題に挑戦しているのが羨ましくなって仲間に入っていく。みんなで一つの目標に向かっているのは、楽しそうに見えますよね。

山崎 宇宙飛行士の仕事も一人ではできないので、そういう経験は直結すると思います。いろんな関心を持つ人が集まるからこそ、チームとしては強くなるのかなという気がします。

 

(後編につづく)

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